雑談掲示板

第十一回SS大会 お題「無」 結果発表
日時: 2014/02/27 20:57
名前: 死(元猫 ◆GaDW7qeIec
参照: http://www.kakiko.info/bbs/index.cgi?mode=view&no=16247

第十一回SS大会 お題「無」
>>523に第十一回大会結果紹介

始めましての方は、初めまして! お久し振りの方達はお久しぶり♪
何番煎じだよとか主が一番分っているので言わないで(汗
余りに批判が強ければ、削除依頼しますので!

題名の通りSSを掲載しあう感じです。
一大会毎にお題を主(猫)が決めますので皆様は御題にそったSSを投稿して下さい♪
基本的に文字数制限などはなしで小説の投稿の期間は、お題発表から大体一ヶ月とさせて貰います♪
そして、それからニ週間位投票期間を設けたいと思います。
なお、SSには夫々、題名を付けて下さい。題名は、他の人のと被らないように注意ください。
 

投票について変更させて貰います。
気に入った作品を三つ選んで題名でも作者名でも良いので書いて下さい♪
それだけでOKです^^

では、沢山の作品待ってます!
宜しくお願いします。

意味がわからないという方は、私にお聞き願います♪
尚、主も時々、投稿すると思います。
最後に、他者の評価に、波を立てたりしないように!



~今迄の質問に対する答え~

・文字数は特に決まっていません。 
三百文字とかの短い文章でも物語の体をなしていればOKです。 
また、二万とか三万位とかの長さの文章でもOKですよ^^
・評価のときは、自分の小説には原則投票しないで下さい。
・一大会で一人がエントリーできるのは一作品だけです。書き直しとか物語を完全に書き直すとかはOKですよ?

――――連絡欄――――

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_____報告
第四回大会より投票の仕方を変えました。改めて宜しくお願いします。

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Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投稿期間 10/17~11/25 ( No.408 )
日時: 2012/11/27 15:58
名前: 死 ◆GaDW7qeIec

第八回SS大会 エントリー作品一覧 

No1 メフィスト様作(都合によりHNを略称させてもらいます)【絵と光と盲目少女】 >>396
No2  あおい様作 「初恋の痕跡」 >>397
No3 葱様作 『過去の鎖』 >>398
No4 碧様作 【この素敵な世界は、何色?】 >>399-401
No5 遮犬様作 【暗がりの奥】 >>402
No6 冬ノ華 神ノ音様作 『黒を願い、白が欲しいと』 >>403
No7 黒雪様作  『Black Tears』 >>404-405
No8 秋原かざや様作 『小悪魔の悪戯』 >>406

以上、全八作品エントリーです!

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.409 )
日時: 2012/11/27 16:20
名前: ノリさん


って・・・あの?(おい森の・・・。)

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.410 )
日時: 2012/11/27 17:45
名前: 死 ◆GaDW7qeIec

ノリさん様へ

いえ、完全な人違いです(汗
申し訳ありません。

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.411 )
日時: 2012/11/28 10:27
名前: 死(元:猫 ◆GaDW7qeIec
参照: ニーソマンという奴を俺は知らない。奴は一体。何なんだ!?

私は、メフィ様の【絵と光と盲目少女】と黒雪様の『Black Tears』に一票ずつ投じたいと思います。

*上げです! 皆さんも投票お願いします。

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.412 )
日時: 2012/11/30 15:30
名前: メフィスト_〆◆6tU5DuE3vU
参照: 「ニーソマン」を知りたいのなら、答えてしんぜようか?

私は、

*遮犬様
*黒雪様
*冬ノ華 神ノ音様

に一票ずつお願いします。
それでは、上げます。

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.413 )
日時: 2012/12/02 00:01
名前: あおい




こんばんは!
メフィスト様【絵と光と盲目少女】に一票お願いします

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.414 )
日時: 2012/12/02 00:30
名前: 玖龍◆7iyjK8Ih4Y


うわあごめんなさい、書くと言っておいて書けませんでした!
投票だけさせて下さい……。

葱様 黒雪様 遮犬様

に、一票ずつ宜しくお願いします。

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.416 )
日時: 2012/12/07 18:32
名前: Lithics◆19eH5K.uE6

こんばんは。
毎回、愉しく読ませて頂いています。投票宜しいでしょうか?

メフィスト様と遮犬様の作品に一票ずつ、よろしくお願いします。

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.417 )
日時: 2012/12/07 20:36
名前: 黒雪◆76up3N51XE
参照: テスト死んだ……。



葱様と秋原かざや様に1票ずつお願いします。

この2つ、特に楽しんで読ませていただきました!!

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.419 )
日時: 2012/12/24 22:57
名前: 恋味☆レミ



こんばんは!

いつも読んでいるだけなんですけど…。

黒雪さんの『Black Tears』にお願いします。

前半はステンドグラスなど色鮮やかな世界だったのが、後半になるとモノクロの世界に変わるところが素晴らしいと思いました!

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 投票期間11/27~12/27 ( No.420 )
日時: 2013/01/05 15:54
名前: 死(元:猫 ◆GaDW7qeIec
参照: やるなら終わらせろ……最近、良く思う。自分が言えたことかとも、良く思う。

第八回SS大会「黒」結果発表

一位 黒雪様作『Black Tears』
二位 メフィスト様作【絵と光と盲目少女】 遮犬様作 【暗がりの奥】 
三位 葱様作 『過去の鎖』 

随分と結果発表が遅れてしまって申し訳ありません。
今回は同率票が乱立しなかったのは良かったですね。まぁ、エントリー作品も少ないですしね。

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 結果発表 ( No.421 )
日時: 2013/01/18 20:37
名前: 桜◆oBtER7y2Sw

【僕と少女と過去と】


彼女は小さな旅人
10歳なのに旅をしている

僕は…彼女が好き

桃年 葡萄月 百合日
彼女は今日も楽しそうに他国の人と話した
綺麗な歌を歌った

でも

笑顔は少し暗かった

桃年 葡萄月 苺日

明るい朝日が僕らを照し
彼女を輝かせる

今日も彼女は楽しそうに過ごす
『僕と入れるだけで幸せ』
そんなことを言われたのは初めて
だからこそ彼女は___

「ねぇ、ねぇってば」
「あっ、何?」
横を向くと彼女の美しく輝く瞳が目に映る
「何書いてるの?」
「へ?うわぁあっ!なななな、何でもないよっ」
必死で机にある、早急までペンを走らせて字を書いていたノートを隠す
「・・・?見せてくれないの?」
「ご、ごめん、ね?」
「ううん、何かわからないけど頑張ってね」
彼女は微笑みながら言い帰っていった

彼女の後ろ姿を見るのは

辛い

彼女の背中には

<過去>

と言う重すぎる重荷が乗っている

辛いなら辛いと言ってよ

僕は君の為になら何でもする

だってぼくは君のパートナーだから

心から笑顔になれるようにしたいから

「本音を言ってよ…………」
一人ボソッと狭い部屋で呟く

僕は

小さな器の人間

そして

小さな旅人と

旅を続ける

「ぁ・・・続き書かないと」
再びペンを走らせる
狭い部屋の中に

ただひたすらペンで字を書く音が響く


ーーーーーーーー
駄作すみません!!!

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 結果発表 ( No.422 )
日時: 2013/01/20 12:23
名前: 死 ◆GaDW7qeIec
参照: あーぁ、ポケスペアニメ化しねぇかなぁ……ブラクロアニメ化しねぇかなぁ……ビィト復活しねぇかなぁ(溜息

桜様へ

申し訳ありませんが、第8回大会は終了していしまいました。
次、改めて宜しくお願いしますね!

Re: 第八回SS大会 お題「黒」 結果発表 ( No.423 )
日時: 2013/01/21 21:43
名前: 死 ◆GaDW7qeIec
参照: あーぁ、ポケスペアニメ化しねぇかなぁ……ブラクロアニメ化しねぇかなぁ……ビィト復活しねぇかなぁ(溜息

第九回SS大会開始!

お題は「白」です!

小説のエントリーが少なかったら、今回で打ち切りにしようかなと検討中――……
個人的にもカキコに通い続けるのが、しんどくって……

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間 1/21~2/21 ( No.426 )
日時: 2013/02/05 22:44
名前: 玖龍◆7iyjK8Ih4Y

「神童」


 腹が痛い。
 教室を抜け出して、校舎の端のトイレでいつもの馬鹿どもと身のない会話をするのにも耐え切れないほど。階段をふらふら上りつつ、なんでをくるくる回す。
 現在は月の終わり頃であるから、本来であれば腹が痛くなるのは当然の現象であるのだが、おかしい。血は出るのだけれど、色がチョコレートみたいで美味しそうなのだ。
 永遠に続いているような長い階段を登り終え、やっと辿り着いた灰色の重たい扉を体当たりで開く。
 解放感も糞も無い、白っぽい曇り空だった。
 倒れ込むように、扉がくっついている薄汚れた壁にもたれかかり、しゃがむ。校則を無視した短すぎるスカートが太もものそばでしわを寄せた。誰もいないところでサービスシーンをやっても、下着の見せ損だな。そう思ったとたん、急に吐き気が込み上げてきて、その場で吐瀉物をまき散らした。
 口元をぬぐって顔を上げたとき。

「…………あ」

 妊娠。かもしれない。
 ああ、でも、ちゃんと避妊具はつけていた……筈だ。お金が甘ったるい匂いをふりまいてるホテルでおっさんとしたときだって、その辺の右手が忙しいようなガキと遊び回ったときだって。つけていなかったことなんてないのに。
 妊娠したときの詳しい症状なんて知りもしないが、吐いたり腹が痛くなったり……というのは、いや、そんんなはずは。もう一度何かを吐き出そうと腹からぐぇっと声が出たが、胃の中は空っぽで、痰と唾が入り混じった透明で白っぽい液体が地面に滴った。
 もしかして、最近太ったと思ったのは、やっぱり。
 呼吸は乱れて、眩暈と吐き気と腹痛がひどくってもう、なんだか気持ち良い。ドラッグでもキメた気分だ。
 回る世界を見上げていると、今度は腹に強烈な痛みが走った。呻き、喘ぎ、腹を押さえる。痛い。何かが必死に外に出ようとして腹の中を抉っている。歪んだ顔ゆえ、狭くなった視界からスカートを見ると。
 血だまりだ。血だまりなのに。臭い、生きている人間の血のにおいが漂っているのに。
その血だまりは、白色をしていた。
その血だまりは腕を生やし、指の切り落としを浮かべていた。
 冷や汗が噴き出して、化粧を溶かしていく。悲鳴も出ない。
 なんだか視界が霞んでいる気がする。血のにおいが作り物の、吐き戻しそうな甘さに変わっていっている。私は、直感した。
 死ぬのだ。
 ぼやけた意識の中で、太ももに柔らかい、温かいものが触れた感覚がはっきりとあった。閉じかけた瞼をこじ開けて、血だまりをもう一度見る。
 ああ。君は。
 塗れた羽が生えた胎児と赤ん坊が混ざり合ったようなものが、指がいくつか欠けた小さな手を私の太ももに当てていた。
 目を閉じる。

 おかあさん。
 そう、言ったよね。


―――――――――――――――――――――

すみませんでした。本当にすみませんでした。
乏しい知識で書きました。
一応ネットで調べてみたのですが間違ってると思います。
こんな発想しか出てこない自分です、呆れちゃいますね。
しかもあんまり白くないし……。

今回は投稿ができてよかったです。

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間 1/21~2/21 ( No.427 )
日時: 2013/02/05 22:16
名前: 白雲ひつじ

(( 課題は自分でやりましょう ))

休み明けの気だるい月曜日。学校の門をくぐる足取りも重い。
私はいつも通り自教室に入り、鞄を自分の机にどさりと置く。
そして本日の時間割を確認し、提出しなければいけない課題を用意しておく。

・・・ん?課題?

眉をひそめた。確か週末課題として数学のプリントが配布されていたような。
曖昧な記憶に首をひねりつつ、ファイルからプリントを取り出す。

目に飛び込んだのは真っ白な色。

なんということだ、私は課題をやるのを忘れていたのだった。



頭の血の気が引いてゆくのが分かる。これははまずいことになった。
数学担当の女教師は、学校内でトップを争う程の”怒らせると面倒な先生”として名高い。
私は教室に友達が入ってくるのを視界に捉えると、すぐさま駆け寄った。

「あ、おはよー。」

「おはよう!!それより数学の課題やった?」

私の友達が感じよく挨拶するのを軽く受け流し、事態を急ぐ本題を持ち出す。
数学は一限目だが、今から写させてもらえば間に合うかもしれない。

「うん?数学の課題?」

「そう!私忘れてたから、見せて欲しいんだけど」

縋る思いで両手を顔の前で合わせた。
しかし、私の希望は次の友達の言葉で崩れ去る。

「課題なんてあったっけ」

それがあったんだよ!!心の内で叫ぶと、私はがっくりと首を垂れた。
時計を見上げれば、一限目開始まであと数分。
他の誰かに見せてもらったとして間に合わないのは確かだ。

「そうだ、優等生ちゃんがいる!」

友達はぱっと表情を明るくしてそう提案した。
優等生ちゃんとは私の友人のうちの一人で、その名の通り優等生なのだ。
彼女なら課題をきっちりやっているだろう。

「だけど、写すのに時間かかって間に合わないよ・・・」

「何のために学校にコピー機があるのさ」

!?
私は驚きの発言に感嘆符を頭上に二つ浮かべた。
まさか、優等生ちゃんの課題をコピーして提出しようというのか。
そんな極悪非道な行為、私には出来ない・・・そう抗議しようとするも
時計が目に入った。残りリミット僅か。私は善の心をたやすく投げ捨てた。

***

優等生ちゃんは性格も聖人のような人なので、下衆な私達に課題を貸してくれた。
学校唯一のコピー機置き場、図書室に駆け込む。
一限目まで、もう時間がない。急げ急げ。
「コピーする」のボタンを凄い勢いで2プッシュ。
ががが、と音を立てて数式が完璧に並ぶコピー用紙を吐き出す機械。
プリントアウト完了。優等生ちゃんに感謝すると共に、安堵の溜息を吐く私と友達。

これで何とか先生に怒られずに済みそうだ。

***

そして私たちは名前が「優等生ちゃん」のままの課題を提出してしまった。
そりゃコピーしたんだから、名前もそのままのはずだ。
詰めの甘さに私たちは涙を呑んだ。
結局、課題が倍になったのは言うまでもない。



初めまして、おもしろそうな企画だったので投稿させていただきました!
方向性が周りの方々と違う内容で申し訳ないです。白の要素が足りてない気が・・・

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間 1/21~2/21 ( No.428 )
日時: 2013/02/06 17:17
名前: 碧

【答案用紙に色がついた時】

「あー、分からない……」

私は、答案用紙の右端に、小さな花マルを書いていく。
それに、目を書いて鼻を書いて……手足をかいたら、「花マル君」の出来上がり。
今回は、うまく描けた。
私は、いつもテストで分からない時は、花マル君を描く。そしたら、なにか分かるような気がしたから。

「ねぇ、なんか分かった?」
どこかからか、知らない声が響いた。
私は、見張りの隙をみて、周りを見回した。だが、声の主はいない。
クラスメートでも、見張りの声でも無かった。
「教えてあげようか」

なにを?
なにを教えてくれるというの?
言葉で話さないと相手も分からないと知りながら、声はでない。心の中で思うだけだった。

「答えだよ、答え」

え?
私は、驚いた。それも、二重で。
まず、一つ目。私と念力で喋れたから。私にそんな能力あったかなぁ。
次に、二つ目。私にカンニングを持ちかけたこと。カンニング……そんなこと、していいことなのかな。
この問題は、本当に分からない。授業では絶対に出ていなかった。
予習復習完璧で、学年首位の私。なのに、今日は半分しか解けていない。これでは、お母さんに…先生に怒られてしまう。
どうしよう、怖い。でも、誰もみていないのなら……聞いていないのなら……

「お願いするわ」
遊び本意で答えたつもりだった。こう言えば、相手はどう反応するかなーって。
「よし、じゃあいくね」
声の主は、さらさらと式と答えを述べていった。
そうか、こうしたらいいのか。途中で、どんどん分かって来た。
そして、声の主の言葉が止まった。
最後まで言い終わったのだ。

……ありがと。
私が脳で言った。
多分、相手に届いたはず。

私は、右端に書いたあの花マルを消そうとした。
だけど、消えなかった。シャーペンで書いたのに。
まるで、マジックで書いたみたいに消えない。
その花マルは、ニコッと笑っていた。私は、笑わせたはずないのに。

「はい、終われ」

その時、見張りの声が響いた。

終わっちゃった。
花マル、消えなかった……どうしよう。
大学生が、テストの端に花マルなんて。落書き厳禁なのに……どうしよう。
私は、カンニングしたせいで狂っていて、もう普通ではなくなっていた。

終わりだ……もう、終わりなんだね。
だから、カンニングなんかしちゃだめなんだ。この落書き一つだけど、ダメなんだね。もう、いーや。全部、バラそう。

私は、ピンクの蛍光ペンを取り出した。
そして、答案用紙に、
「ありがとう!」
と大きく書くと、この紙を思いっきり大きく投げた。
この紙は、白いけどピンク色。

「ふっ……じゃあな」
誰かの声がまた響き、外で鳥が羽ばたいたような音がした。

ああ、そうか。声の主は悪魔なんだ。
私の悪事をさらけ出そうとしたんだね。悪魔だけど、天使のように優しいんだね。貴方のおかげで、今の私は真っ白だよ。周りの重圧もない今、私の体はとても軽い。

私、地獄へ会いにいくね。
私は、窓に手をかけた。

「その時は、ありがとうって目の前で言わせてね」

【END】

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間 1/21~2/21 ( No.429 )
日時: 2013/02/16 12:00
名前: 死(元:猫 ◆GaDW7qeIec
参照: どうでも良いケド、って冒頭につける台詞って大概、言ってる本人は必死だったりするよね?

上げさせて貰います。

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間 1/21~2/21 ( No.430 )
日時: 2013/02/21 23:46
名前: Lithics◆19eH5K.uE6
参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Claude_Monet_011.jpg

奇想『日傘を差す女』 

 O.Claude Monetに寄せて――



 絵画とは魔法だ。
 光もも、あるいは時間でさえも、一本の絵筆で真白いカンパスの中に閉じ込めてしまう。太古の昔から人間が描かずにはいられなかったものとは、きっと、そんな刹那に過ぎてしまう一瞬なのだろう。
 だが私は、それが時に残酷なものだとも思うのだ。

 何故なら。それはどこまでも虚構でありながら、見る者によっては真実に近すぎる。
 そこには、失われてしまったはずのモノがいつまでも鮮明に残されてしまうのだから。
 
○○○

 ふと、カリカリという音が止んだ。
 何という事はない、私が鉛筆を削っていたナイフの動きを止めただけの事だ。あまりにも無心になって削っていたからか、芯の先は針のように尖っている。ここまでやってしまうと却って折れやすく、使いものにならない。これは詰る所、数時間前からこっち、ほんの少しも構想が浮かんでいない事から逃避した結果なのだった。
 ひとつ、肺を絞るような溜息を吐いて。こんな時は、そうだ、早々と諦めてしまうのに限る。

「はぁ……そうだな。今日はこれまでにしよう」

 曰く、思い立ったが吉日だ。急くようにイーゼルの前から離れ、パレットと絵筆を放り出して。うずうずとした衝動のままに薄暗いアトリエを飛び出し、黒鉛と油絵具に塗れた両手を洗い流したなら……さぁ、私は自由だ!パリで得た画家の名声も、普仏戦争の記憶が生々しいロンドンでの日々も、このフランス北西の街――アルジャントゥイユでは意味を持たない。此処ではサロンの顔色を窺わずに好きなものを描き、それにも倦み疲れたなら、こうして気ままに筆を擱くことが出来る。どうせ暫くすれば自然と絵筆を執ってしまうのだから、思い切って休んでしまえば良い。
 そして私はこんな時、決まって我が家の小さな庭へと足を運ぶのだった。

 ――そう。光溢れる午後の庭は、きっと私の幸福そのものだ。

 初夏の薫りを胸一杯に吸い込んで、服が汚れるのも構わず芝生の上に寝転ぶ。眩い太陽の微笑みに軽い眩暈がして。思わず右腕を翳して真白い光を遮った先には、息を呑むほど高いアルジャンの青空が広がっていた。

「ははっ……」
 頬が緩むのはきっと、私が今、とても幸せだからだろう。
 セーヌの流れで冷やされたは涼しげに吹き渡り、遠い教会の鐘の音を届けてくれる。するとそれに合わせるように、妻と息子の戯れ唄が屋敷の中から聴こえてきた。妻であるカミーユの声は透き通った美しいソプラノで、五歳になる息子ジャンは勇ましくも微笑ましい腕白な声。彼女たちの不揃いな合唱は鐘の音が止んでも途切れず、次々と曲を変えて私の耳を楽しませてくれる。

 V'là l'bon vent, v'là l'joli vent
(ごらん、良きが吹いている。ほら、なんて素敵なだろう)

 そんな多幸感にほだされて、ついつい同じ唄を口ずさんでみたが……やぁ、我ながらなんと音痴であることか。やっぱり絵以外には才が無いらしいと再確認できたところで、私は苦笑したままで瞼を閉じた。
 こうして光との祝福を受けながら、ゆったりと日が暮れていくのを待つ時間は、私にとってまさに至福の時だ。敬愛するニッポンの人々は悲しいときに笑うと聞くけれど、私はやはり幸せな時にこそ笑わなければと常々思う。そうだとも、フランス人が滅多に笑わないのは、希少な幸せの価値を知っているからなのだ。思えば妻も息子も、アルジャンに引っ越してからは笑顔が絶えず、唄声は弾んでいる。ならば、この美しい街こそが私たちを幸せにしてくれているのだろうと、そんな事を思ったりもした。

 さて。心が満たされたなら、その隙を狙うように眠気がやってきた。
 日が落ちるまでには時間があるし、此処で昼寝をしても邪を引く心配はないだろう。御近所の目は気に成るが、この心地好さには到底抗えない。せめて日陰がある庭木の下まで行こうかとも思ったが、躰はもう既に動こうとはしなかった。
 そんな葛藤は一瞬だけで。不意にくらり、と意識が芝生の中へ沈み込んでいくような感覚。妻たちの唄声が遠くなっていく気がして、私は浅く微睡むような眠りに落ちていった。

○○
 
 絵画とは魔法だ。
 神が私に与え給うた唯一の才だ。その上で私自らが選び取り研鑽したのは、数ある絵画のスタイルの中でも孤立した、それ即ち『印象』を扱うものだった。色彩を操り、光を描く。世界の写実から一歩進み、画家の見る主題を強調する。そうして描かれたものには、『私そのもの』が封じられているような感覚さえ覚えるのだ。
 だからこそ私はかつて……きっと美しく、そして愛しいものだけを描こうと誓った。

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間 1/21~2/21 ( No.431 )
日時: 2013/02/22 00:21
名前: Lithics◆19eH5K.uE6
参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Claude_Monet_011.jpg

 ふと、直ぐ傍に、誰かの温もりと息遣いを感じた。
 まだ日は高いのか、直視してしまった光が目の奥に赤々と残る。それでも、目覚めたばかりの胡乱な意識は直ぐには上手く回ってくれないようだった。
 誰か、そこに居るのか。仰向けのままで辺りを見渡しても、庭に人影はない。屋敷の方から聴こえていた唄声も、今はとうに消えてしまっていた。
 だが、不思議と愕きは無かった。その気配が傍にあることは、私にとってごく自然な事に思えたから。少しだけ働き始めた感覚が、頭の後ろに柔らかい温もりを認めて。くすくすと耳を擽る笑い声に誘われるように、私は視線を真上へと向けた。

 そこには予想通り、いや望み通りの、一人の女性の貌があった。
 
「ふふ、おはよう、オスカル。良い夢は見られましたか?」
「あぁ……やっぱり君か、カミーユ」

 ――その微笑みを形容する言葉を、詩人ならぬ私は持っていなかった。白く霞むような逆光の中で、彼女の笑みだけが確かな形をもって私を見下ろしている。そこには安心感と愛おしさと、そして空よりも蒼い瞳に吸い込まれそうな怖さすらあった。その眼で見つめられたなら、途端に私は愛を語る言葉さえなくしてしまうのだ。だから、私は最愛の妻に甘い言葉を掛けたことなど無い。その時も、私がやっとのことで絞り出したのは……いつも通りに不愛想な亭主然とした、あるいは私の嫌いなパリの紳士の陳腐な言葉でしかなかった。
                                         
「はい、わたしです。中々起きて下さらないから、どうしようかと思いましたよ」
「む、すまない……いつ頃から此処に?」

「ええと、ジャンがお昼寝してからですから、一時間前くらいこうしてます。ふふ、やっぱり貴方の息子ですね? 二人とも、幸せそうな寝顔がそっくりです」
「ぐ…………」

 なんて事だ。私はどうも、膝枕をされても目を覚まさず、一時間も彼女に緩みきった寝顔を晒していたらしい。愕然とした私の顔を見て、彼女はコロコロと愉快げに笑った。

「あら、そんな御顔をしないで。可愛かったですよ、ジャンと同じくらい。そうそうオスカル、貴方が眠っている間にアリス……っと、こんな呼び方ではいけませんね。オシュデ夫人がおいでになられました。エルネスト・オシュデ氏の主催する展覧会のお知らせだったようですが」

「な……! マダム・アリスが? 来たのか、此処に?」

 愕然、再び。
 エルネストは私の無二の友人であり、新進の実業家であり、画業の支援をしてくれている所謂パトロンだ。その夫人である若きマダム・アリスとカミーユも、歳が近いこともあり仲が良く、昔から家族ぐるみの付き合いがあった。
 だが、だからといって、いい歳をした大人が庭で昼寝をしている図など見せていいはずがない。ましてや、妻に膝枕されているなど……どう考えても、エルネストに知られたなら暫くは画壇の笑いモノだ。少なくとも彼だけは、あの下品な声で腹を捩って笑うだろう。
 そうなれば私としては、彼の豊かな(豊かな!なんと寛容な表現だろう)体型を主題として寸分の違わぬ肖像を描いて、パリのサロンに提出するくらいでしか報復にはなるまい。フランス人……もとい、パリ人とは自由と怠惰をこよなく愛するが、見苦しい肥満は許さない人種なのである。

 閑話休題。
 まだ見ぬ屈辱とその復讐に思いを馳せている私をよそに、カミーユは悪戯をする若い娘のような表情をして。

「あ、そうですね! 折角ですからアリスにも見てもらえば良かったのに、私ったら……」
「む、彼女には見られていないのか」
「ええ。貴方は出掛けてるということにして、ちょっとだけ二人でお茶をしました。新作を楽しみにしてると伝えてくれとのことでしたよ」
「はぁ……神よ」

 知らず、ほぅと安堵の息が漏れる。
 それが可笑しかったのか、今度は声を上げて笑い出した妻の顔を見上げながら……少しだけ、もしかしたら有ったかも知れない騒動の顛末を幻視した。私とエルネストは詰まらない喧嘩をして、飲んで忘れただろう。そして彼女たちは、こんなに笑っていたかもしれない。それはそれで楽しかったのではと考えて、やはり幸せに呆けているんだなぁと自嘲した。あぁ、なんだか可笑しくて……ガラでもなく笑みが止まらなくなった。

「……? どうしました、オスカル?」
「ははっ、なんでもない。なんでもないんだ……それよりも、なぁ、カミーユ」
「はい?」

 くい、と首をかしげるカミーユ。滅多にこうして笑わないものだから、今私が笑っている理由が解らないのだろう。その仕草がまた可笑しくて少し吹き出しそうになりながら、私は言葉を繋げた。
 

「君の……いや、今度は君と、ジャンの絵を描こう」

 ――それは私の、精一杯の愛の言葉に等しい。
 今まで幾度となく彼女の絵を描いてきたが、それは最も身近なモデルだからという理由ではなく。言うまでもないし言いはしないが、彼女が私にとって最も美しく、愛しい主題だからだ。
 もしや、その意図を知っているのだろうか。彼女は私がそう切り出す度に、珍しく照れたように淡いはにかみを見せるのだった。

「またですか? 私なんか、オスカルの絵には相応しくないって何度も……」
「そんなことはない!……ないさ、そんなことは」

 右手を上に伸ばして、彼女の頬に添える。それはまるで太陽に手を差し伸べているような温かさで……その途端、あれだけ思いあぐねていた構図のアイデアは溢れんばかりに湧き上がってきた。

「あぁ、良い季節だ、そうは思わないか? こんな陽気なら、セーヌの河畔はきっと気持ちが好いだろうな。うん、そうしよう。いいかな、河岸の草地でジャンを自由に遊ばせて、それを眺める君を描こう。君は一等綺麗な余所行きを着て――ああ、なら、この光が映える白のドレスが良いな。君は色が白いから、日焼けをしないようにしないと……」

 そうして、私はどうしてか酷く饒舌に語っていた。カミーユが珍しいものを見たように目を丸くしているのが判ってはいても、止まりそうにはなかった。その構図は見る前、描く前から目に浮かぶようで。慣れない言葉を駆使してでもその美しさを、彼女の輝くような価値を伝えたかったのだ。

「そうだ、君は日傘を差すと良い。それなら夏の光の中でも影を生かして、君を綺麗に描くことが出来る。ははっ、素晴らしい! きっと傑作になる、きっとだ、カミーユ!」

 この絵には、私の全てが込められるだろう。
 願わくは我が妻がそれを見たときに、私の想いが届きますように――
 

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間 1/21~2/21 ( No.432 )
日時: 2013/02/23 13:27
名前: Lithics◆19eH5K.uE6
参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Claude_Monet_011.jpg

 
○○

 目を覚ますと、私は一人だった。
 
 あぁ、長い夢を見ていたのだ、と。
 凍えるほどに冷たいが眠気を覚まし、その奇妙に冴えた頭で、私はあっさりと現実を受け入れた。酷い夢だったのか、懐かしい夢というべきか。それとも幸せな、良い夢だったと、そう思える日が来るだろうか。
 
「なぁ……居ないのか」

 横たわる地面の冷たさが、季節が秋の終わりであることを思い出させてくれる。木立の葉が落ち、金木犀の薫りが漂う庭は意味もなく寂しげで。それは季節のせいにしておく方が良いのだと、私はそう自分を納得させることにした。
 日は落ちかけて、空の端は深い群青に沈んでいる。この光が死んでいく時間は美的ではあるけれど、私は好きではなかった。だからこそ、かつては必ず妻がこうなる前に起こしてくれたのだった。だが、その優しさは既に無い。無いのだ。

 軋むドアを押して、暗いアトリエに入る。
 イーゼルに掛けられたカンパスは白く、穴のように夜に浮かんでいる。絵筆は乾き、生けられた花は見る影もなく干からびていた。それは一年前、彼女が生けた向日葵の花。夏を思わせる鮮やかな黄が、脳裏にはしっかりと残っている。

「あぁ……」

 そして、アトリエの奥に掛けられた一枚の絵を目にした途端、私の全身から力が抜けてしまった。日傘を差す女性と、その息子の絵。美しい絵であり、幸せな絵だ。それは『オスカル』という画家が描いた、その生涯の最高傑作だろう。私には絵の中からこちらを見つめる女性と、それを描いた男の心情が手に取るように分かった。
 そこには初夏の光が満ちていて、日傘のもたらすもの以外に影などない。なのにどうして……こんなに、儚げなが吹いているのか。なぜ、ふと目を離せば光の下から居なくなってしまうような危うさを孕んでいるのか。描かれた当時、その絵は幸福そのものでしかなかったはず。だが、もしも時とともに絵の意味も変わるとするならば、その魔的な芸術は到底私の手に負えるものではないと思った。

「オスカル、さん?」
「……!」

 不意に背中へと掛けられた呼びかけに、私は背筋の凍る思いをした。
 振り返ってみれば、アトリエの入り口に立っていたのは……今や見慣れてしまった女性の姿。かつての友が破産し蒸発して以来、彼女はこの家で暮らしていた。

「ごめんなさい、急に声を掛けて。でも、何だか御気分が優れないように見えましたので」
 
 落ち着いた声。それは私の良く知っている声とは違うけれど、『オスカル』という響きは胸に突き刺さるような感覚がして。私は心配して歩み寄ってくるアリスを目で制して、軽く首を振った。

「いや、大丈夫だ。アリス、大丈夫だよ。ただ、いつも言っているだろう、その……」
「……ごめんなさい、クロードさん」
「ありがとう。さぁ、そろそろ夕飯だろう? 後で行くから、子供たちを頼むよ」

 はい、と返事をして素直にアトリエを出ていくアリス。その背中が、私を非難しているように思えた。許してほしいとは思わない。謝ることもしまい。だが、あの名前は否応なしに『彼女』を思い出させる。だから、私はそれを封印することに決めたのだ。オスカルという名前と、彼がかつて誓った絵画のポリシーを。

「そう、決めたんだよ、アリス」

 哀れな女だと思った。美しい人でもあった。亡き妻を重ねることなく、彼女を愛することは出来るだろう。そうする事をカミーユは望むだろうし、その道でしか、再び幸せを得ることは出来ないと判っていた。だからこそ、カミーユの面影は絵の中にしかあってはならなかったのだ。


 窓の外に白い月が昇っていた。
 しばし、その美しさに息を呑む。世界がこんなにも美しいのは、私たち人間が見ているからではないのだろう。悲しくても嬉しくても、幸せでもそうでなくても世界は輝いているのだから。 
 それが判った今、画家である私が描くべきものは一つだけ。
 かつて愛しいものを描いた結果が、この胸を掻き毟らねば治まらない痛みならば。この永遠に残る愛の面影ならば。私はそれを繰り返すべきではないと思う。それは、思い出と共に移ろい老いていく自らの心に留めるからこそ、きっと美しく在るのだ、と。
 芳しい夕餉の薫りが空腹を誘い、にぎやかなアリスの連れ子たちとジャンの声が私の心を慰めた。さぁ、私も食卓へ行こう。そして其処に幸せの欠片があるなら、私は笑っていなければならない――

 最後に。
 『光の画家』の名に恥じぬよう、クロード・モネとして誓う。
 この先、決して長くはない生涯において。私が描くのは、この限りなく美しい世界の景だけであると。

(了)



○あとがき、解説

こんばんは。
ぎりぎりになってしまいましたが、拙筆の作を投稿させて頂きました。一枚の絵をモチーフにした実験作で、モネを主人公に据えた物語はすべてフィクションです。参照の先はクロード・モネの「散歩、日傘を差す女性」が載っています。

クロード・モネはフランス印象派の画家であり、「光の画家」と生前から高く評価された人物です。ファーストネームのオスカルと呼ばれることを嫌い、ほとんど使わなかったことが知られています。妻のカミーユ夫人は「日傘」が描かれた4年後に病死。故に、この作品に漂う不思議な雰囲気を文章化できないかということで、これを書いてみた次第です。なにが「白」であるかは、筆者からは特定しないものとします(苦笑
では、これが少しでも読んでくれた方の心に残りますように。

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間延長 3/6まで ( No.434 )
日時: 2013/02/23 14:43
名前: 一綺


参照すげえーーーー!!

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間延長 3/6まで ( No.436 )
日時: 2013/02/25 18:13
名前: 澪#mikana

    ( 純白のワンピースの少女 )

 僕はその夏を母方の実家の田舎へ過ごすことになった。理由はよくある話だ。両親が離婚間近。原因は父親の浮気で。くだらなさすぎて反吐(へど)が出る。人間。愛しても愛されても、本当は誰一人独占なんかできやしないのだ。それに気付かない母や母にうんざりして浮気したけど隠すことができなかった父も皆、くだらない。噂に敏感ですぐ広まる田舎町もくだらない。この世全てくだらないと僕は思ってる。名前だって深山直(みやま なお)って。素直になるように、と名づけられたが自分で言うのは気が引けるけど、ひねくれた性格だし。
 唯一の救いは海辺にあることだ。僕は昔から海だけは好きだった。そして海を愛しているといっても過言でない。人間は嫌いだけど海は別だった。海はクールで落ち着いていて愚かな人間を殺してくれるし恵んでもくれるから。白い砂浜、群青色の澄んだ海。砂浜で靴に砂が入るけど気にならなかった。青く澄んで遠くまで見渡せないくらい広い海。僕はじっ……と佇む。

「良い気持ち」

 海も潮の香りが素敵だ。暑いのにさわやかな空、海、、純白の砂浜。

「ここに住むのも悪くないな」

 噂話や人々の密接な関係には閉口するけど。まあ、海さえあれば耐えれるか。都会も田舎も皆、くだらないし。――ただ、優しく朗らかな祖父母は僕でも好きだ。両親と大違い。ってか、母さんがあの祖父母に生まれた自体、奇跡的かも。母さんは田舎が大嫌いで方言は京都や大阪以外、忌み嫌っている。
 絶対にあの祖父母を上京させまいとしてあれこれと気を揉む姿は醜かった。田舎は僕も大嫌いだが、祖父母だけは別、海の次に大好きだ。父方の祖父母はさっさと死ねって感じなのに。何だこの雲泥の差は。
 くだらないことで気を揉むのはやめよ。とにかく海を楽しむんだ。僕はふと、横を振り返った。遥か彼方に微笑んでるらしき純白のワンピースを着た少女が。同い年そうで田舎にはありえないくらい垢抜けた美女って感じ。……ていうか、今時純白のワンピースかよ。……でも、あの子ならありだ。

―――僕と同じく田舎へ遊びに来てるの?
―――いいえ。ここが私のふるさとよ。

 彼女は都会の雌豚共(めすぶたども)が喋る、幼稚で馬鹿っぽい言葉遣いじゃなかった。そこが僕の心に何かを訴えた。そう、何かを。

―――僕は直。
―――よろしくね。……ごめんなさい、また後でね。

 と言って彼女の姿がだんだん見えなくなっていった。でも、どうして彼女は、もっと近くに寄らないのか。疑問はあったけど物騒な時代だから仕方ないか、と僕は少し落胆した。他人を簡単に信じない僕があの子をあっさりと信じかけてることに気付いて。

「馬鹿馬鹿しい……。」

 なんとなく胸が痛んだ。









 おじいちゃんとおばあちゃんの家は純日本家屋だ。もともと僕は洋より和が大好きだから、両親が離婚しても母親についていく気でいる。父親はどーでも良いって感じ。高校卒業後、ここに移住しよ。ヒステリックで傲慢な卑しい雌豚――母さんは嫌がるだろうが、僕の人生だから文句は言わせない。地域の過疎化にも貢献するし。母さんみたいのが日本をだめにするんだ、と恥ずかしくなった。ちなみに今、縁側で西瓜(すいか)を食べてる。スーパーより美味すぎる。
 おじいちゃんとおばあちゃん二人は近所で死んだ僕と同い年の女の子の話をしていて、海辺のあの子を思い出した。……あの子はもしかして死んだ子も海が好きで弔いに来てたのだろうか。だとしたら今時珍しい子だ。僕は昔気質(むかしかたぎ)の人間だから、こうみえても。

「おばあちゃん、僕、海に行くね」
「……えっ、ああ……そうかい……海へは泳がないでおくれ」
「どうして? ああ、……海水パンツ、忘れたからか……」

 おばあちゃん達は口ごもったままだった。仕方ない。忘れた僕が悪いんだしね。家を出て海に通じる小道を歩く。舗装されておらず、逆に癒されるなあ。ふと、近所で死んだ女の子がどうして死んだのか気になった。どうせ赤の他人で自分とは縁のゆかりもないんだ。気にすることないか。――しかし、何でおばあちゃんたちは海に行くことを喜ばなかったんだろ。

―――こんにちわ。

 海が見えたころ、すれ違いざまに優しげでおおらかな漁業を営む田舎者の姿した近所のおばあさんが挨拶した。僕も一応挨拶する。田舎は案外フレンドリーだから、悪い面も歩けど嫌いになりきれてない僕。案の定、おばあさんは世間話を始めた。

「海へ行ってもいいけど泳がんほうがいい」
「……どうして、ですか?」
「……ああ。直くんは知らなかったねぇ」

 近所で亜里沙という女の子が海で溺れ死んだそうだ。それは事故で仕方ない。海はそういう面もあるんだ。大して怖くなかった。――おばあさんは言うに、この地方では海の溺死者が出た場合、弔いのために泳がない決まりなんだと。泳いでしまうと溺死者が侮辱したと怒り狂うと。天罰が下ると。本当はあんまり海へ行かないほうが安らかに旅立つんだと。僕は迷信が嫌いじゃないので。

「泳ぎませんよ、水着ありませんし」
「そうかい、そうかい。気をつけるんだよ」

 そう言っておばあさんはどこかへ行った。それでも、僕は海が好きだったので白い砂浜の待つ海に着いた。……と、またあの純白のワンピースの少女がいた。あの子も迷信を知ってるはずなのに。しかも、また遠くにいるし。そんなに僕が信用できないのか?

―――ねえ、何してるの?
―――海を見ているのよ。
―――奇遇だ。僕は海が大好きだ。
―――素敵ね。あたしもよ。
―――へえ、そうなんだ。……そういえば、名前は?

 彼女めがけて大声で質した。いったん黙ったあと、少女はやはり微笑んで。

―――亜里沙よ







 立っているのが、やっとだった。














解説&挨拶。

初参加かつ割り込みみたいな形ですみません。澪(みお)と申します。
皆さん、よろしくお願いしますね。
ちなみに主人公はどうなったかは、皆さんのご想像にお任せしますね(殴
ぐだぐだでオチがバッレバレの稚拙な作ですが、もしよろしければ暇潰しに、と。

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間延長 3/6まで ( No.437 )
日時: 2013/03/14 03:33
名前: 遮犬◆ZdfFLHq5Yk

『白い残像』

 目が覚めると、そこは僕の知らない景だった。 
 白い霧が目の前を覆っており、よく目を凝らしたところで何物も見えない。ただ、そこには不思議な雰囲気と、どこか体が宇宙の彼方に浮かんでいるような感覚、あるいは錯覚に陥っていた。
 まもなくして、体が無意識の内に動いていることを知る。とはいっても、過剰な動きはせずにゆっくりと手が白い霧の中を掻き分けていた。両手で、その先は何も見えないというのに、無意識の内に手を動かしているように。体験したことこそないが、まるで自らが幽体離脱したかのように、別次元を浮遊しているような気分なのだ。

 どこにいるのだろう、と考えてみれば、思い当たることがある。この感覚は、前にもどこかで味わったような、そんな気がした。それはいつの頃だったかといえば、よく思い出せない。
 と、そこでこれは夢なのだと分かった。現実では有り得ない、とそういうに頭が"断定した"からだ。
 しかし、おかしなものだと思った。
 いつもの夢ならば、僕は夢の中で考えることが出来ない。ついでにいうと、夢の内容を忘れてしまう。どこかで体験したような出来事を、夢は勝手に写してくれるだけで、覚えているも何も脳にインプットされているものを映し出しているに過ぎないのだから、元々記憶のどこかに欠片があるのだ。
 だが、今回は違う。夢の中で考え事が出来ている。この状況が、どことなく理解出来ているのだ。そう、先ほどこれは夢だと断定できたように。
 そんな出来事は、初めてのことだった。今まで15年間ほども生きてきたというのに、今まで一度も味わったことのない不思議な体験がまさに今起きているのだ。

 もしかして、これが現実だとすれば、一体自分は何をしているのだろうか。そして、この白い霧は一体何なのだと考えた。
 もうすぐ高校生になる自分。しかし、白い霧の中に囲まれた自分が今ここにいる。そして、手でそれを必死に掻き分けていた。

 そんな中で、思い返したのはある出来事。
 目の前には優しそうな笑みを浮かべる女性がいる。僕を見つめて、手を差し伸ばし、僕はそれを握り締める。そして、歩き出すのだ。
 まるで夢のような、そんな感覚を僕は覚えていた。確かに記憶の片隅として存在しているのだ。しかし、白い霧は未だに眼前に広がっている。

 そうだ、そうだった。僕は、幼い頃に母親がいたのだと今更思い返す。優しそうな笑みを浮かべて、そっと僕に笑いかけるその女性は、僕の母親だったのだ。
 けれど、あぁ、そうか。父さんもいたんだった。母さんは、そこにはいたのか、いないのか。そんなことは忘れてしまったけど、どうしてか覚えているのは母さんの残像だけ。白い霧は眼前で大きく広がりを見せている。何度もそれを掻き分ける、掻き分ける――が、何も変わらない。霧は更に広がりを見せていく。

「これは、何だ」

 白い残像が眼に映る。それは何の光景か、白い霧の中に薄っすらと見えた妊婦の姿。あぁ、あれは僕の母親なのだろうか。そして、あの腹の中にいるのは僕なのだろうか。違うような気がしてきた。あれは、僕の母親であって僕ではない。
 不思議と見つめる僕は、誰に何を気兼ねすることもなく、その妊婦の方へと歩み寄る。だんだんと感覚が近づいてくる気がした。足で地面を踏むにも力が入る。僕は、ゆっくりとその残像へと近づいていた。

 そこに映るのは、僕の父親。嬉しそうな笑顔を浮かべて、妊婦の腹を擦っている。それは僕なのか、否か。分からないが、ただそれは僕の父さんなのではないかという確信のない不安が過ぎていく。どれだけ速く歩いても、そこには辿り着けない。その不安が加速していく。
 何だ、この違和感は。気付いた時には、僕はその白い残像の正体がどことなく分かっているような気がした。ただ一つ、この残像が見せてくれたものは、僕の母親は、僕の父親は――――

 あぁ、父さん。嬉しそうな笑顔を浮かべて、"その女"の腹を擦っているけれど、それは本当に"僕"なのかい?

 白い霧が消えていく。延々と続いた白昼夢がようやく終わりを迎えた。
 父親はいない。僕にとって、親は母親だけだったんだよ。父さん、僕は、捨てられたのかい?

「どうなんだよ、父さん」

 墓石を前にして、手を合わせた僕はそう呟く。父さんの記憶はまるでない。ただ、事実として僕の父さんだったということの話。ただそれだけのことで、それ以上でも以下でもなかった。
 覚えのない、妄想の記憶。奥底にあるはずだと思わなければ、どうにもならないものがある。母さんは今頃、向こうで元気にしているだろうか。
 今度こそ、母さんと元気に仲良くやっているだろうか。

「良かったね、母さん。大丈夫だよ、ちゃんと復讐を果たしたら、今度こそ、次こそは――家族みんなで暮らそう」

 ここに父親はいない。いるのは、死んでしまった僕の母親と、生まれるはずだった大切な命。それは、一番身近な男に奪われた命だった。
 僕は既に、何者でもない。ただ、目の前を過ぎる白い残像を生気のない瞳で後を追う。
 
 血のついたナイフが、僕の懐から姿を見せていた。


【END】

~あとがき~
前回に引き続いて、今回も参加させていただきましたっ。
テスト勉強合間にやっちまった……。ごめんなさい、無性に何か書きたくなる時ってあるんですよね……。やっちゃいけないって分かっていても書きたくなっちゃうっていう……。
白、あんまり関係ないやんって思いますよね、ぶっちゃけ書き終わった後勢いでこんなことになって後悔してます、すみません……。
何となく、白い残像の正体が分かったかなぁ……と思いますが、人それぞれによってまた残像の正体は異なるような気がしないでもないです;
とにかく、主人公どうしてこうなった、みたいなのが書きたかったので……反省してます、すみませんっ。

長文、失礼いたしましたっ。

Re: 第九回SS大会 お題「白」 投稿期間延長 3/6まで ( No.438 )
日時: 2013/03/02 14:24
名前: アビス

~~失って気付く事~~




どれだけ膨大な知識を詰め込もうが、俺には全く意味がない。
どれだけ素晴らしい恋愛を摘もうが、俺には一切響かない。
俺には記憶が無い、感情が無い。あるのは記録だけ。
目の前で起きたことをただ日記のようにし、頭の中に刻み込むだけ。
刻んだ事は忘れないが、その記録を頼りに人とコミュニケーションをとっても、
こんなの対話を可能にしたロボットと変わりはしない。

俺の頭はあの日から今日までの全てのシーンが刻み込まれてる。
それでも俺の頭は空っぽ。どれだけ脳に景色を刻み込もうが俺の心は微動だにしない。



俺の頭も・・・・・・心も・・・・・・・身体もすべて・・・・・・・




真っ白だ




――――――――――――――――――――




超記憶症候群。医者やどこかの研究員のやつらを俺の『これ』をそう呼んでいた。
日常のありとあらゆる出来事を1秒も漏らさず記憶してしまう症状。
似たのでサヴァン症候群もあるが、これは有る一つの分野で発揮する限定的な症状。

これにかかると脳内が記憶でひしめき合い、結果俺は同時に感情鈍麻にもかかった。
だが俺はそんなことしったこっちゃない。感情が無いんだ。
辞書で読んだツライとかカナシイなんて感情は一切湧いてこない。
これはいわゆるラクと言うやつか、それともムナシイと言うやつか。人間の感情というのは難しいな。

そんな俺でも今少し世間一般的に言うコマッテルことがある。
おそらくこの状況はそれに当てはまると思う。それは・・・・・・・・

「おい!涼真。何時まで呆っとしてんだよ!早く学校に行くぞ」

俺の名を呼び、凄い勢いで腕をつかみ引きずる様にして俺を運ぶこの女の名前は・・・・・確か・・・・・

「ああ、そうだ。美雪・・・・・という名前だったな」

「いい加減幼馴染の名前ぐらい覚えろ!」

「莫大な名称から、お前の顔と一致した名を探し当てるのはクロウするんだぞ?」

「一生そうやって名前当てゲームでもしてろ」

美雪は口角を上げ、そう言葉を返してくる。
俺がこの症状になってからというもの、今まで俺と関わってきた奴等の対応は明らかに違うものになった。
だがこの幼馴染、美雪は、今までも変わらずに俺に話しかけてくる。そしてこれも

「どうでもいいが、人の腕を直ぐ引っ張る癖直せ」

俺は美雪の腕を振り払い先に歩き始める。それに合わせ美雪を速度を合わせて顔を覗き込んできた。

「照れてるのか?可愛いやつだのぉ~~~」

―ボカッ!―

「いっ~~~~た~~~~!!か弱い女の子をグーで殴る!?」

「ウルサイ。以前の俺ならそう言ってお前を殴ってたと思ってな。同じ事してみただけだ」

「以前も今も同じ俺でしょーーーー!!って待てーーーーー!!」





美雪の腕を引っ張る癖。これは俺が幼少のころからずっと変わらない。
こうなるまではもうなんとも思って無かったが、何も感じなくなった今になって
この癖が俺の中で妙な感覚となって襲ってくるようになった。

この感覚が一体なんなのかよく分からない。ウレシイのかハズカシイのかイヤなのか。
何も感じない俺が唯一感じる美雪の癖。これが一体何なのか分かれば、感情も蘇る日が来るのかもしれないが、
掴まれると無性に引き剥がしたくなるから、もしかしたら知るのがコワイのかもしれないな。

―キキィーーーー!!ズカンッ!!!―

感情が蘇っても前と同じ生活を続けることなんて出来ないだろう。
周りからの視線が耐えられなくなる日が必ずくる。
前の俺はそういうことには特に敏感に感じていたような気がしたんだ。

―ワイワイガヤガヤ!―

もしかしたら俺は今心の奥で、この状態でいることに喜んでいるのかもしれない。
だからそれを思い出させるかもしれない可能性を持つ、美雪の癖は俺のコマリの対象なんだ。

「・・・・・ぁんた」

だからと言って美雪自身がコマルというわけではないと思う。
美雪と話しているだけではあの妙な感覚は襲ってこないのだから。
どうにかして美雪にあの癖だけは直させるようにしなければ。さて、どうすればいいものか・・・・・・

「おいあんた○○高校の生徒だろ!?」

「ん?そうだが」

良い策はないかと考えていると、急に後ろから男性に話しかけられた。
さて、この男性は今まで会ったことのない男性だな。
それに服装から高校は分かるとして、どうしてその名で俺を呼び止めたんだ?

「あんたと同じ制服の生徒が今車に轢かれたぞ!!気付かなかったのか!?」

ああ、先ほどの大きな音はその音だったのか。
そんで男の背後に出来ている人だかりはその野次馬か。ふ~~~~。

「興味ない。俺が残る意味が分からないからな」

俺はとっとと学校に行かなくてはならないんだ。何時までも立ち止まってると
美雪はまた怒鳴られて腕を引かれる。出来ることならそれはコワイからな。
ん?そういや美雪はどこいった?さっきまで俺の後ろを歩いていたと思ったんだが・・・・・・。

そんな事を考えてると、男性が俺の心を読んだのかその答えを返してくれた。
それもとても分かりやすく。

「分からないって・・・・・・あんたさっきまであの子と話してたじゃないか。
一緒に通学してたんじゃないのか!!?」

「!!?」

俺は急いでその野次馬を掻きわけて群衆が見つめる者が目に飛び込んできた。
顔を赤くさせ、足元をふらつかせ、呂律の回らない口調で怒鳴り散らす、明らかな酔っ払いのじじぃ。
その傍で横たわる血塗れの美雪。

「・・・・・・・・・」

ああ、やっぱりな。




こんな光景を見ても俺の心は何も動かない。






―――――――――――――――――――


あれから幾日もたった。
美雪の葬式はあったが、それ以外はなんら変わらない日常。
俺は普段通りの生活に戻る・・・・・・はずだった。

「・・・・・・・・・」

何だ?この胸の絞めつけけられる感覚は。
何だ?この頬を伝う涙は。




そうか。もしかしたらこれが悲しいというやつなのか。
あいつが死んで悲しくて、腕を引っ張るあいつを見る事が出来なくて虚しくて。
あいつと一緒に学校に行く事が出来なくなるのが寂しいんだ
あいつの屈託ない笑顔がもう見れないと思うと辛いんだ。

これが感情だ。これが俺が失っていたものだったんだ。けど、やっぱ思った通りだ。
感情なんて無いままの方が良かったんだ。こんな思いをするぐらいなら無いままの方が良かった。




――――――――――――――――――――




今はもうどんな些細なことでも敏感に反応する。
友達の一緒に笑いあう事も、どんなベタベタ恋愛を摘んでも心を躍らせる事が出来る。
ロボットのような対応ではなく一人の人として、人々と接していくこと出来る。

それでも俺の心は空っぽで・・・・・・・俺の身体は何かを欲して・・・・・



俺の頭は前から変わらず・・・・・・真っ白なままなんだ。





~~あとがき~~

久しぶりの投稿になりました。
最近はリアルが忙しくて、自分の作品で手一杯って感じで全くこっちに来る事が出来ませんでした。

今回は今までほとんどやったことない主人公目線でのナレーションだったので、
若干微妙な言い回しとかになってしまったかもしれせん。
それでも、読んで下されば光栄です。

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