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誕生、機動学園!! ( No.2 )
日時: 2018/10/21 08:27
名前: 秋原かざや (ID: RARTxK9z)

 都市型の船が次々と完成するなか、ひとつだけ異彩を放つ船がある。
 なぜなら、そこは都市ではなく、『学園』が入っているからだ。
 次々と物資が運ばれていく中……。

「まさか、この僕が校長兼艦長に任命されるとはね」
 銀髪の若い青年がそう呟きながら、苦笑を浮かべた。
「ですが、有能なパイロットが先生役を務めるのは、必然かと」
「だからこそ、だよ。僕は中距離では、誰にも負けないと言えるけど、それ以外は並なんだからね」
 眼鏡をくいっとあげて、青年の隣にいた眼鏡の女性はなおも続けた。
「それでも先の戦線では、我が軍を勝利に導いた英雄ではありませんか」
「ルクレツィア……あれは偶然だよ偶然」
 通路を抜けて、校長室と書かれた部屋に入る。
 まだ机と椅子しかない殺風景な場所ではあったが。
「まあ、これからも戦いを押しつけられないという点においては、いいかな?」
「首相も期待されてましたよ」
 頑張ってくださいと、控えめにルクレツィアは告げる。
「そうだね、頑張ろうか」
 机の上には、出来たばかりの、募集要項が記されたパンフレットが置かれていた。
「先生役も学生達も、その他スタッフもこれから募集しないと行けないからね」
 部屋の窓から外を眺めた。
 次々と運ばれていくのは、教材……なのだろうか? いくつもの人型の巨大ロボットが運ばれていく。
 そう、ここはロボットを操縦するパイロットを育成する学園なのだ。
 学生はもちろん、教師役であるパイロットも必要である。
 それだけではない、用務員に給食のおばさん、図書室の司書などなど、他にも学生達を支える者達も必要なのだ。
「これから大変になるだろうけど、頑張ろうか」
「ええ、良き未来の為にも」
 そのルクレツィアの言葉に、青年はやっと、笑みを浮かべたのだった。