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- Re: 【募集〆】貴方の小説に感想を書こうか ( No.36 )
- 日時: 2019/07/19 15:00
- 名前: 書喰神 ◆ugFJcpBygw (ID: b9FZOMBf)
>>35
瑚雲さん
早速のご返答有難う御座います。
長文でのご返答に、瑚雲さんの作者としての熱意を感じてとても嬉しいです。
では、その熱意に私も熱意を持って応えようと思います。
・一つめについて。
瑚雲さんの意図は理解しました。
ですが私はやはりおかしい違和感のある文章だと思います。
その理由を詳しく説明しますと、
『その手首にはだれもが、ギラギラと輝く装飾品を施している。大きなダイヤからシックで上品なデザインのものまで、指輪ひとつとっても、ここに訪れた招待客たちの身分を推察することは容易だった。』
まず『その手首にはだれもが、ギラギラと輝く装飾品を施している。』で『手首の装飾品』に焦点が当たっている事は分かりますね。言い換えれば、『装飾品』に『手首』という範囲を定めてしまっている状態なのです。
そしてその次に来るのは、
『○○から××まで』と『○○ひとつとっても』という文章は、どちらも「範囲」を表現する文章になっています。
『○○ひとつとっても』とは『××の中の、○○ひとつとっても』という意味で使われます。
『大きなダイヤからシックで上品なデザインのものまで』
『指輪ひとつとっても』
上記ふたつは同文章中にどちらにも主語が入っていないので、必然的に直前の文章で焦点を当てたものを主語とします。
つまり『手首の装飾品』がその二つの主語になるという事です。
瑚雲さんは『指輪ひとつとっても』の文章中の『も』は『副詞の役割を果たしている』と言いますが、この場合は、追加という意味で使う『○○も』ではなく、『○○ひとつとっても』は範囲の中の一つを強調するという意味の言葉なので、やはり主語が『手首の装飾品』なのに、その範囲に『指輪』が入るのは不自然です。
「招待客たちがしている手首の装飾品は、指輪ひとつとっても」という風に見えるという事ですね。
正しく自然な文章というものは、上記のように前後の文章を要点で繋げた場合に不自然になりません。
私ならばこう直します。
『その挙げられた手にはだれもが、ギラギラと輝く装飾品を施している。大きなダイヤからシックで上品なデザインのものまで、腕輪ひとつ、指輪ひとつとっても、ここに訪れた招待客たちの身分を推察することは容易だった。』
これならば『手』という範囲には指も手首も入っていますし、指輪だけでなく手首の装飾品にもデザインの範囲に関する修飾語を当てられます。
今、思ったのですが『大きなダイヤからシックで上品なデザインのものまで』というのも違和感ですね。前者は宝石単体を差し、後者は装飾品のデザインを差しています。範囲を示すには両者のつり合いが取れていませんね。
だったら前者は『大きなダイヤの付いているような派手なデザインから』にした方が、デザインの範囲として、後者との釣り合いが取れているかと思いますね。
結論を言うと、
『その挙げられた手にはだれもが、ギラギラと輝く装飾品を施している。大きなダイヤの付いているような派手なデザインからシックで上品なデザインのものまで、腕輪ひとつ、指輪ひとつとっても、ここに訪れた招待客たちの身分を推察することは容易だった。』
こんな感じですかね。
これならば私は文句はありませが、どうでしょう?
・二つめについて。
「善悪の区別もつけらんないような大人が──」
「焼死させる気か!」
ロクアンズは勘違いで、コルドは大袈裟に言っていると。
ならばやはり、作中にそのことを描写するべきですね。
基本三人称視点の地の文という、客観的に状況描写を書ける作品なので、ロクアンズが何処かズレた事を言っているとか、コルドが大袈裟に心配し過ぎている事、『二人の頭の中だけではそうなんだ』という事を地の文に描写した方が良いと思います。
第三者視点の地の文のはずなのに、変な事を言っている二人にメタ的な突っ込みがないので、二人の言っている「善悪の区別」や「焼死」がこの状況(作中)では正しいように感じられて違和感を強くさせています。
登場人物が、その人物特有の思考回路で場にそぐわない発言をした場合は、三人称視点の地の文なら作者様がツッコミを入れ、一人称視点の地の文ならば登場人物の誰かをツッコミ役にすると、物語は綺麗に流れます。
勘違い発言や、場にそぐわない発言をしてツッコミの無いままだとそれがその作中では正しい事みたいに見えて違和感を強くさせるのです。
登場人物全員が的を得た発言をしろと言った意味ではなく、作中において正しいか正しくないかをはっきりとしないまま物語を進める事を指摘しました。
あと、厳しい意見ですが、ロクアンズの思考など、書かれていないことに対して読者に「こういった感想をもって欲しい」と考えるのは作者側の傲慢です。
登場人物が馬鹿な事を言っても良いですが、何故そんな「馬鹿な発言をするに至ったか」という思考を明確に描写しなくては、読者には伝わりません。
これが既に何十話も続いていたのならば、読者にもロクアンズの性格が分かっているから省略しても想像して貰えるかもしれませんが、まだ一話目です。
一話目なのに発言者の思考を詳細に描写せずに、場にそぐわない発言をしてもその事には地の文ですら触れない。これであとは読者の想像に任せる、というのはどう考えても作者側の傲慢に過ぎるでしょう。
「ロクアンズってまっすぐだなあ」「まだ考えることも子どもらしい」という感想が欲しいならば、まずはそれを書いて下さい。そうした事前情報があるからこそ、その後に出てくるセリフで、そういった感想は出るのです。
ロクアンズが登場して間もない場面で書いても居ないのに読者側が想像補完するには、ロクアンズの性格を表す描写やエピソードが足りな過ぎます。
これはコルドにおいても同じです。
・三つめについて。
①伏線を張りすぎ
②開示する情報が少なすぎる
私としては、どちらも当て嵌まると思いますが、どちらかと言えば②ですね。
『第001次元 緑色の瞳』でいうと、
まずオークションで『狂彩の一族』で盛り上がりを見せました。
しかし前感想に書いた通り、『狂彩の一族』とはオッドアイの者をそう呼んでいるか、それとも『狂彩の一族』にしかオッドアイは居ないのか、が本文中からは正確に読み取れませんでした。つまり、商品である少女の価値がどれほどの物なのかが曖昧で、読者的には客側の興奮に共感が得られません。
作者側が『狂彩の一族』の詳細をぼかしたいのならば、『狂彩の一族』の歴史は省いても良いですが、作中の世界的に見てどれほど貴重で珍しいものなのかはもっと明確に描写しなければ、客側の興奮も、商品少女の「こんな瞳じゃなかったら、よかったのに」という苦悩にも読者は共感を得られません。
次。
一話のタイトルでもある『緑の瞳』。
私としてはどうして『緑の瞳』をタイトルにしてまで強調させるのかが分かりませんでした。
いえ、分からないというよりは、強調不足でしょうか。サブタイトルにまでなっているのだから、もっとインパクトが欲しいと感じます。出来れば希少性があるならばその説明も追加してくれるとなお分かりやすい。
最後に「同じ色の瞳」だと言って少女を落ち着かせていますが、少し強引さが目立ちます。あるいは『緑色の瞳』にも多少なりとも希少性があるならば、落ち着かせられる説得力というものが増しますが。
もしくは、ここはロクアンズの目を見た少女の心理描写をもっといれて欲しいですね。
少女が落ちつく理由を読者の想像に任せるのならば、瞳に関する情報をもっと入れるべきです。
例えば、『緑の瞳』に希少性があるならば、同じように瞳で苦労する者同士なんだ、みたいに納得できます。
逆に、商品少女はオッドアイで周りからは変な瞳だと思われていても、ロクアンズの瞳と片方だけでも同じと言われ、ロクアンズからは変な目で見られていない事が分かって安心して落ち着いた。
作中だと後者に見えますが、サブタイトルにしてまで『緑の瞳』を強調させるならば前者の方が自然に見えます。
更にそこに『シーホリーの一族の瞳には及ばないが』という発言が加われば、ここまで緑の瞳を強調させているということは、「ロクアンズの緑の瞳はシーホリーの一族の瞳で、少女の瞳より希少」なのかもしれないという推測も出来ますね。
読者に想像補填して貰いたいのならば、それを助けるような説明描写は必要です。
『狂彩の一族の希少性』『同じ緑の眼と言われて落ち着いた少女の心情』それに『サブタイにまでなって強調されている緑の瞳』や『狂彩の一族よりも希少性の高いシーホリーの瞳』など、説明不足過ぎる用語が重なっていて、更に人物の心理描写も本文中に少ないのに、読者に対して想像補完をさせようとするのは無理があります。
最後の『緑の瞳が同じだといって少女を落ち着かせる場面』については、『この時の少女の心情』を詳細に描写するか、『緑の瞳に少女を落ち着かせられるだけの説得力のある設定』を事前に説明するかしなければ、不自然さは消えません。
言ってみれば、サブタイにするほどの強調と、本文中の強調に違和感がある、ということですね。
私はそれを「本文中の色々な情報が不足しているための違和感」つまり「この作品独自の用語を伏線にして、詳細な説明を省いて曖昧にした結果」だと考えたわけです。
ちなみに、『若草色』と『翡翠色』では、結構色としては違いがあります。どちらも緑という範囲には入りますが、同じ色と表現するにはちょっと違和感があります。調べてみて下さい。
・最後について。
『ストーリーの雰囲気に流されて作者様があまり良く考えずに筆を進めてしまった時に起こる失敗』という言については撤回しましょう。
ですが、よくよく読み返せば気付く事に気が付かず、違和感や不自然さをそのままに書き連ねている状態を見れば、初めてこの作品を見た読者にはそう思われても仕方ないと思って下さい。
そもそも感想とは「見て思った事」が全てであり、上記も間違いなく私がこの作品を読んで感じた事です。
それについてご不快な思いをされたならば申し訳ありません。謝罪申し上げます。
しかし、そう感じた者が居るということは、作中のどこかしらにそう思われてしまうように書かれている要素があるという事です。
『ストーリーの雰囲気も意図して作っています』というのならば、やはり雰囲気を重視するあまり内容についてがおざなりになっている部分もあると感じます。雰囲気は確かに出ているので、今後は内容面についても力を入れると良いと思います。
今回のように、ここの部分はこうなんだ! という瑚雲さんの反論は本文に反映させれば作品をより良くさせると思います。
私が言うのもあれですが、批評は受け止めるだけでなく、反発する精神も必要なのだと思います。
以上、まだまだ反論があれば受け付けましょう。
長文失礼しました。
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