リクエスト依頼・相談掲示板

Re: うちの子貰って下さい【リクエスト募集中】 ( No.14 )
日時: 2020/04/01 17:27
名前: Thim (ID: SG60l.ki)

ジャンル:オリジナル


「もうすぐ文化祭だね。私も指揮頑張るから、皆で力を合わせて合唱優勝を目指して頑張ろうねっ」
「え、その嘘くさい笑顔を辞めろ? ……何のこと? 私は笑いたいから笑っているだけ、皆に優しくしたいから優しくしているだけだよー」
「もう、しつこいなぁ……っ私は! 私が好きで笑っているの、私が好きで人に優しくしているの。私が歌わないのはっ、歌が嫌いだからよ!! は、嘘つくな? なにそれ、嘘なんてついていないわよ。そもそも、どうしてアンタにとやかく言われなきゃいけないのよ。私の勝手じゃないっ」

名前:雨宮 江美/あめみや えみ
性別:女
年齢:17歳

性格:雨のようなつややかさの中に雲間から見える太陽のような不思議な暖かさのある女の子。暗いわけではなく、むしろ明るい。明るいと言っても下品さは全くなく、親しみやすくもどこか浮世離れしたような雰囲気のある。
   常に人の気持ちに寄り添い、共にあろうとするさまは多くの人の目には慈愛深い少女に映るが、一部の人からは自己犠牲が過ぎる一歩間違えれば自滅しそうな危うさを覚えさせる少女。
   メディアに出ることが嫌いで、また写真や映像に写る事も嫌い。自分の容姿が嫌いらしい。

容姿:167cm。D〜Eサイズの巨乳。読モにスカウトされた経験あり。常に優し気な笑みを浮かべている。
   栗色の髪で、胸辺りまでのロングヘアー。毛先が軽く内側に巻かれている。右側の髪を赤いピン止めで止めている。運動している時や、料理中はポニーテールにしている。
   制服はスカートを短くすることは無いが、禁止されている薄手の黒タイツを履いたり、こっそりと凝ったデザインのペンダントを付けてくるなど真面目という訳ではない。
   私服はロングスカートを履くことが多い。一周回った時のふわっと感が好きらしい。女性らしい服装は好まず、シンプルで無地の物をよく着る。レースやフリル柄物は着はしないが小物のワンポイントで身に着けることが多い。
   手首にゴムやシュシュを付けている。よく付けているのは赤と白の水玉模様のシュシュやラメ入りの髪ゴム。

過去:小学一年の後半から孤児院で育った。両親ともに生きているが母親は男に夢中で子育てを放棄し、時折思い出したように子供を慈しむ母親面するだけ。父親は別居中なのと仕事で忙しく子供を見れる状態ではないからだった。小学校一年生の時学校に来ない彼女を不審に思った担任の教師からの通報で孤児院に引き取られることになった。
   院内でもしっかりもので優しいお姉ちゃんで通っており、大人からも優等生と思われていた。
   小学校四年生の時、担任に勧められて入った学校のクラブ活動で優秀な成績を収め、地域の合唱団に入団。雨のようにしっとりとした、物悲しい歌声で人々を魅了し、天才少女とメディアの一面に飾られるほど有名になる。
   しかしある日突然合唱団を辞め、クラブ活動にも参加せず、音楽の時間でも歌を極力歌わなくなる。おかしいと思った大人達から問い詰められるも一貫して「なんでもない」としか言わず、いつしか彼女は歌わないことが当たり前となっていった。
   真相はどんどんメディアに出るようになった江美を母親に止めたからだった。凍てつくように寒いある日、突然やってきた母の様子は彼女の知っている母のどれにも該当しなかった。男に振られた時より悲し気で、乱暴な扱いをされてズタボロに帰ってきた時より憐れで、時折江美を見ている様で遠くを見て唇をかみしめていたあの時より苦しげだった。
   必死な形相でいつもは整えている髪を振り乱しながら母は語った。母の夫つまり江美の父は一流の歌手だった。江美の母は歌を歌う彼に惚れ、傍で支えて居たいと思いアプローチをし、ついにゴールインし江美が生まれた。しかし、幸せは長くは続かなかった。最初は母と江美に気遣いっていた父だが、時がたつにつれ家に帰ることが少なくなっていった。浮気をしていたわけではない。彼の最愛が彼女達ではなく“音楽”だっただけの事だ。人間で最愛は江美の母だったのだろう。しかし彼女は彼の本当の最愛には成りえなかった。
   それからというもの江美の母は足りない愛情を求めるがごとく男にのめりこんでいき、江美の父もそれを黙認した。離婚こそしていないものの、家庭はどんどんと冷めていき、江美が物心つく頃には事実上離婚と言っても過言ではないほどのありさまだった。母は父が離婚しないのは音楽活動で結婚していた方が都合がいいからだと考えている。もう自分を置いて行かないでと、縋る母親を見て江美は初めて母が江美に父の面影を重ねていた事を知った。
   江美は母を恨んではいなかった。嫌いではなかった。好きでもなかったけど、彼女はたった一人の江美の親だった。そんな彼女が今、自分に縋りついて泣いている。捨てないでと泣いている。江美は縮こまり、冷え切った母の体を抱きしめ必死に捨てないよと伝え続けた。

未来:奨学金の貰える孤児院から遠い高校に進学。知り合いは一人もいなかったが持ち前の人当たりの良さからすぐに友達が出来、クラス仲も良好。学校は現校長の意向で運動部が盛んで文化部は日陰へと追いやられているのが現状だった。音楽関連の部活は一つもない。合唱大会等があっても必ず指揮に立候補し全く歌わずに過ごした。
   それが変わったのは高校二年に上がるころの事だった。親の仕事の都合で引っ越してきた一人の転校生、そいつが来てからすべてが一変した。学校に来てからすぐに合唱部、吹奏楽部等の音楽関連の部活がないことを知り悲愴な面をして嘆き悲しむそいつをみて、音楽が好きなのだとすぐに分かった。嫌いだと思った。そいつが、人目もはばからず、恥ずかしげもなく、あたりまえの権利を持っているかのように音楽を愛するそいつが———(私は愛せないのに)。
   なのにそいつは江美の心に気付かず話しかけてきた。無意識のうちに歌っていた鼻歌を聞いて、ビビビッと来たと騒いでいる。ただでさえ鼻歌を聞かれていたのが恥ずかしいのに、自分の事情も知らず一緒に歌おうとほざくそいつが憎かった———(私だって歌いたいのに。何も知らないくせに!)。
   思わず拒絶した。口汚く罵った。きっと八つ当たりも含まれていた。関係のない事まで当たり散らされ罵られたのだから、そいつは怒っても良かった。だけどそいつは怒らなかった。馬鹿の一つ覚えのように同じことを繰り返した。「一緒に歌おう」と。
   あきれた。こんなに言っているのに諦めないのか。ならば、と思いこんな話を持ちかけた。「歌って見せて。それで私を感動させることが出来たら考えてあげる」感動何てしない。元から断るつもりで持ち掛けた話だ。なのにそいつは嬉々として約束だと言って走り去った。馬鹿なのか———(でも、もしかしたら)。
   放課後、帰ろうとした時に呼び止められた。連れていかれたのはとあるイベントホールだった。周囲には客が沢山いる。席に座らされ、転校生は何処かへ立ち去った。戸惑っている間に幕が上がって、出てきたのは転校生と同じ苗字を持った二人の歌手だった。良い歌い手だと思った。人々はうっとりしてその歌声を聞いている。だけど、彼女は何も思わなかった。次に舞台へと出てきた人物を見て愕然とした。転校生だ。どうしてそこにいる、と思っている間にアイツは歌いだす。歌い終わる事には拍手喝采の嵐だった。
   以降を簡単に説明すると転校生の歌声に感動し、また転校生に説得されて江美は歌う決意をします。その過程で父親が誰なのかを知ったり、母と喧嘩の後仲直りをしたり、転校生がスランプに陥って大喧嘩をして仲直りしたり、父親に会いに行ったりします。量が多くなったので終わりますがもっと詳しく書きたくなったら編集したり別に投稿したりします。

備考:声も顔も、どんな人だったかも忘れてしまった父親に「笑顔が素敵な女の子に育ってほしい」という思いから名付けられたと、母親に聞かせられ、繋がりのない父の愛情を感じたい一心でいつも笑顔を浮かべている。
   また育児放棄をしていた母が戯れで言った「皆を助ける優しい子に育ってね。そうしたらお父さんもきっと帰ってくるよ」という言葉を信じて、また手助けをした後に言う人々の「ありがとう」の言葉に自分の価値を見出し、人に優しくすることが生きがいとなる。
   彼女の本質は末っ子気質で我儘なのだが、もう捨てられたくないという思いと、ないとは分かっていてももしかしたらそうして過ごしているうちに両親が迎えに来てくれるかもしれないと言う願望によって、頼れるお姉さんキャラを作り上げている。
   “転校してきたそいつ”の一家が音楽の光なら、江美の一家は“闇”。