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Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.25 )
日時: 2015/08/20 02:44
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

「良いか、ボーマンダの竜舞空を飛ぶは強い!」
「ナンセンス。サザンドラの流星群こそが最強」
「いーや、馬車の飛び膝蹴りでお前のサザンなんざお終いだ! ん、どうした? ギルガかクチートと組むか? ん?」
「そっちこそマニューラの氷の礫でご臨終。マンダは何かと組んでも結局オワコン」
マンダだサザンだと自分の相棒(と書いて嫁と読む)を自慢し合っていがみ合いに発展し、一歩も引かない、いつもの2人。結局互いのエースを口汚くディスり合うという見ていて鬱な言い争いに。
そこに華音が遅れてきて、翼に「放課後に来てほしいところがある」と言う。
翼は「別に良いけど」と承諾した。
ちなみに、結局マンダとサザンはどっちが強いのかと夏奈に聞かれる雫。とりあえず彼は
「両方共スカーフガブの逆鱗で確1だね」
と答えたのだった。

どうやら、華音によるとこの間の一件で翼のことを気に入った華音の母・祐佳が翼にまた来て欲しいと言ったとのこと。
だが、窓越しに2人が一緒に下校するところを見ていた未歌は一瞬、嫉妬のようなものを覚えるが、無視することにした。

次の日、先日翼はどこに行っていたのだろうと考える未歌。そんな中、今日も華音と一緒に下校しているところを見てしまう。
ふつふつと嫉妬の感情が浮かび上がってくる。翼を独り占めしようとする念が浮き彫りになった瞬間だった。実は前から体型でも性格でも自分を上回る彼女に劣等感を感じていたのだ。

考えてみれば、最初は2人っきりだったあの空間。その空間に夏奈や雫、そして華音。だんだん人が増えていった。それが嬉しくなかったわけではない。しかし、同時に彼との時間が減っていったのも事実だ。
と、そこに翼が「この間は悪かったな、サザンドラの流星群はやっぱつえーよ」と謝ってくる。そして、
「今度、一緒に2人で対戦しようぜ」
と持ちかけてくる。しかし、
「私なんかといても不快になるだけ」
と断る未歌。
「怒ってるのかよ」と言う翼に「自分の行動を省みたらどうかしら」と言って去ってしまう。

そんな中、翼と華音の2人が一緒に下校していたという噂はたちまち広がり、ポケモン部でも波紋を呼んだ。
何日か経ったある日、翼が華音の家でパーティを開くから来て欲しいとみんなに言う。
「ほほう、それじゃあお祝いの赤飯が必要のようだね。僕買ってくるよ」と怖い笑顔で返す雫。かなり怒っているが、翼はそれに気付いていない。が、雫も一応行くようだった。夏奈も訝しく思うが行くことにした。
しかし未歌は嫉妬から「行かない」と言ってしまうのだった。

結果、パーティは裕佳の退院祝いだった。どうでも良いが一応お祝いなので赤飯は無駄にはならなかった。ついでに赤飯が血でもっと赤く染まることもなかった。しかし、結局来なかった未歌のことが心配になった翼はその日の夜、「今度、デパートのマルチの大会で一緒に参加しないか」とメールを彼女に送る。

自分の行動を悔やんだ未歌は「わかった、いく」と返す。しかし当日。エントリーが定員を超えたため、出場者を決めるクジに外れて参加できず。
あまった時間を持て余すようにデパートをぶらぶらする2人。だが、気まずい所為かなかなか話せない。
思えば、2人きりになったのはいつ以来だろうか、と考える未歌。そして自分がむしゃくしゃしていたのは、翼を独り占めしたかったからということに気付く。
そこで「俺ちょっとジュース買って来る」と言って、店に向かう翼。歩き疲れた彼女はベンチで待つことにした。そこで偶然、華音を見かける。

歩き疲れたのを忘れて、華音の方に駆けて行く未歌。一方の華音は退院した母に街を紹介していたのだが、デパートではぐれてしまって探していたのだ。
だが、そんなことを知る由もない未歌に「翼は渡さない」と詰め寄られ、いきなり対戦を申し込まれる。そんなことをしている場合ではないのだが、仕方なく対戦を受けることに。

対戦は接戦の末、華音が勝利した。
翼との関係を教えて、と未歌に迫られる華音だが「誤解だよ! それは---------」と言っている間に祐佳がやってくる。彼女の説明で誤解が解け、一件落着。
そこに翼も戻ってきて、4人で昼食を取ることになったのだった。そして、未歌の恋情を悟った華音は彼女の恋を応援することに決めたのだった。

帰り。「仲直りの印だ」と言って翼が小包を未歌に渡す。中にはサザンドラのメタルチャームが入っていた。
すると未歌も自分も悪かったし、怒ってパーティに出なかったからごめん、と謝る。
そして「また2人で……こんな風に出かけない?」と誘ったのだった。