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- Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.29 )
- 日時: 2015/08/20 02:49
- 名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)
一回戦を快調に勝ち抜いた翼たちは、控室に移動していた。二回戦からはチームごとに控室が用意されており、そこに設置されたテレビから試合の様子を見ることができる。また、部外者が入ることはできないため、直前の調整やミーティーングも気にせず行えるという配慮がなされている。
その移動の途中で、どういうつもりなのか中学の制服を着た灯と遭遇。応援に来たらしいが、なにゆえ中学の制服を着ているのかは不明。
自由すぎる先輩に頭を抑える雫。さらにそこに、奇妙な仮面をつけ、「ヤホホホホ」とおかしな笑い声を上げる、不審者染みた男がやって来た。ますます頭が痛くなる。
その男は刈谷 伝といい、次の対戦相手である翼たちに挨拶に来たらしい。
恰好と口調がおかしくなければ礼儀正しいのに……などと思っていた矢先、彼は翼に言い放つ。
「あなたのボーマンダはAS振りの竜舞マンダですかな? そのようなマンダはゴミですぞ」
その言葉に当然ながら憤慨する翼だが、相手も訂正する気はない。口調から薄々分かっていたが、この男は役割論理を崇拝レベルで信じる論者のようだ。
それからしばしいざこざがあったが、このままだと平行線。そして幸か不幸か、刈谷も翼も大将にオーダーされている。なので、この決着は直接対決で、ということになった。
↓
灯を連れて控室に移動する翼たち……なぜ本来は部外者である灯もいるのかというと、補欠であると偽って係員の目を潜り抜けたからだ。中学の制服を着ていたのはこのためらしい。勿論、選手登録されていないので補欠として出るなんてことは不可能なのだが。しかし警備がザルなのではないだろうか。
それはともかくとして、雫は先ほどの刈谷について評価していた。いきなり相手のポケモン、それもエースをゴミ扱いする品性は疑われるものだが、翼のDSに付けてあるメタルチャームから翼のエースがボーマンダであると悟り、さらに翼の10パートナーズから竜舞マンダが軸になっていると見抜いたその観察眼は認めざるを得ない。
事実、彼の実力はかなり高い。この予選で優勝候補と呼ばれているチームの大将と匹敵するほどの力を備えているかもしれないと、雫は考えていた。対策はしてきたが、果たして翼が彼に敵うかどうか……正直なところ、副将までに決着をつけたいところであった。
しかしそう上手いこと試合が運ぶわけもなく、あいては全員論者だったようだが、今の環境はサイクル戦が主流、その流れに乗る役割論理が弱いはずもなく、二勝二敗とギリギリのまま翼へと繋ぐことになってしまった。
大将戦。翼と刈谷の因縁の対決が始まった。刈谷の対戦は一回戦の動画を見てリサーチ済みとはいえ、交代際に撃たれる高火力の技、こちらの攻撃を読んだ精度の高い後出しと、純粋なサイクル戦ではやはり不利。
しかしここぞというところで必然力の足りなかったヤケモンの一撃が外れ、その隙に積むことができたボーマンダ。有利なヤケモンに後出しされようとその超火力の前では耐えきることはできず、そのまま全抜きして、なんとか勝利を収めたのであった。
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