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Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.30 )
日時: 2015/08/20 02:50
名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)

 なんとか二戦目を抜けた翼たち。次はもう準決勝だ。その対戦相手は——
「やっぱ勝ち上がって来たな。待ってたぜ」
「ひさしぶりだね、みんな」
 対戦表を眺める翼たちに声をかけてきたのは、まさかの御剣鋏弥、御剣琥子の御剣姉弟であった。どうしてここに? と尋ねると、大会に参加しているからだ、と当然の返し。ただ、ココの強い希望と、こういう場で翼たちと対戦したかった、という思いもあったらしい。
 ココが本格的な対戦などに復帰して、大会にも参加するようになっていたとは聞いていたが、まさかこの全国大会の予選にも参加しているとは思わなかった。意外な相手に驚きを禁じ得ない翼たち。
 自分たちの出場を見せつけてとりあえず驚かせたかったらしい御剣姉弟は、次の試合の作戦会議があると言って、そこで立ち去った。翼たちも同様に、控室に戻る。

 御剣姉弟のチームは、他の三人が例の不良グループから抜擢されたメンバーで構成されているらしい。ただ、その三人は単なる数合わせではなく、これまでの対戦を見るからに相手をガンメタしていて普通に強いらしい。
 事前公開されていた10パートナーズとにらめっこしていたために実は対戦相手を知っていた雫が言うには、それでも特に要注意なのは御剣姉弟。どちらも起点構築を軸としているようだが、弟の方は二戦目でトンボルチェンのギミックを搭載したサイクル戦をも見せており、姉の方は長いこと大会などに出ていないためにデータが少ない。一応、二回戦では大将戦までもつれ込み、プテラのステロ撒きからメガルカリオで無双していたらしいが。
 ともかく、これは準決勝。相手があの御剣だからと言って油断はできない試合となった。

 前の三人が普通に強い、という認識は間違っていなかった。事実、夏奈と華音の二人は相手にメタられて惜しくも敗北。雫はそのメタを逆利用して勝利したが、しかし既に二敗しているため、相手にリーチがかかっている状態だ。
 そんな緊張の中始まった副将戦、相手は弟の方、御剣鋏弥。なんだかんだで未歌は彼と対戦するのは初めてだった。というより、翼へのリベンジマッチを考えて大将かと思っていたのだが、翼が副将にオーダーされると思っていたのだろうか。
 それは置いておくとして、今回の鋏弥はいつもの起点構築。エースにメガハッサムを据え、半ば強引に積んでからの全抜きを狙いに来ている。
 傍から見ていると噛ませ犬っぽかった鋏弥だが、実際に対戦してみると思いのほか強敵であった。しかし、メガハッサムは全抜きをするには微妙に火力が足りない……その隙を突いた反撃で、未歌が勝利を収めた。

 なんとか二勝二敗とギリギリのところまで持って行けた翼たち。最後の対戦は、翼とココ。実際に対戦するのは初めてで、データも少ない。というより、どのくらい強いのかもよく分からない。弱くはない、というのは分かるのだが。
 対戦前に「つばさくんと対戦してみたかった」「わたしのエースとつばさくんのエースは似てるから」と意味深な言葉を残して、対戦開始。
 ココも弟と同じ起点構築のようだが、先発はプテラではなかった。二回戦で既に見せているので今回はいないのだろうか、とそこで半ば選出を切る。今回は他の先発要員で場を整えていくココ。しばし場が動いていき、そろそろエース登場か、というところで出てきたのは、プテラ。
 今更ステロを撒きに来たのか? と疑問符を浮かべる翼だが、同時にどこか違和感を感じる。そして次の瞬間には、相手のメガリングが反応していた。
 そう、メガプテラだ。流石のこの時には悟った、ココの本当のエースはルカリオではなく、このメガプテラであると。
 壁を盾に爪とぎで積んでいくメガプテラ。そして次に見せた技は、翼もボーマンダでよく使用している、空を飛ぶ。後出しで受けられない以上、甘んじて場のポケモンを差し出さなくてはならない。
 確かに、積んで高火力の空を飛ぶを放ち、後出しで受けることを許さないこのメガプテラは、翼のエースであるボーマンダと似ている。とはいえ当然、相違点もある。ボーマンダは特性が威嚇のため、繰り出し性能が高いのだ。相手の攻撃力を下げながら、翼もエースをぶつけて徹底抗戦。そして、運にも味方され、なんとか勝利することができた。

 なんだかんだで準決勝も突破し、いよいよ明日は決勝戦となった翼たち。その決勝戦の相手は——以前、夏奈が対戦した角南 天祢を含む、『闘神』と呼ばれる猛者が率いる今大会の優勝候補チームであった。
 予選通過を目指すのであれば、必ずどこかでは当たる相手。強敵ではあるが、ここまで来て、いやこの大会に参加してから、負けるつもりなど毛頭ない。
 絶対にこの予選を突破すべく、各々は明日の対戦への準備をするのであった