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- Re: 神よ。私は美しい……【ポケモン対戦小説】 ( No.34 )
- 日時: 2015/08/20 02:58
- 名前: 高坂 桜 ◆hjAE94JkIU (ID: dUayo3W.)
副将の相手、米田栄一朗は、『闘神』と共に一年の頃からずっとチームにいた唯一の選手だ。三年生というだけでも経験豊富だろうが、メンバーの入れ替えが激しい彼らのチームにおいて三年間チームに居座り続けていることが彼の実力を如実に物語っている。
彼のパートナーズは、メジャーどころから中堅どころからマイナーどころまでよりどりみどり。非常に対策が立てづらい並びだ。
特に雫が注目したのは、ポリゴン2とローブシン。ポリゴン2は対策をしなければ突破不可能になり、ローブシンは単体でサザンガルドに強い。
他にも、抜きエースとなるギャラドス、ガルーラには積まれないように注意。いばみがや壁張り役になれるクレッフィも厄介だ。
かといってそれらのポケモンに囚われていると、脇から不意の一手を喰らう可能性も高い……なので、選出を決め打ちするより、幅広く対応できるようなパーティーを組む必要があると判断した。
今回の対戦で重要になるのは、恐らくローブシンの扱い。お互いのパートナーズにローブシンは刺さっており、特に未歌側からすれば、ポリゴン2を最も確実かつ手っ取り早く処理できるため、是非とも選出したい。
その他諸々のことも考えて未歌はパーティーを完成させ、ここで地区予選を終わらせるべく副将戦へと出向くのだった。
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「『闘神』サイド ミーティング」
見事に相手の術中にはまり、惨敗した挙句、優勝候補と謳われていた『闘神』チームが無名チームに先に二勝されてしまうという大失態を犯してしまった閃は、控室に戻るなり(天祢から)罵声を浴びせられる。
そんな天祢を諌めて閃を慰める栄一朗。
ともあれ、これで『闘神』チームは負けることができなくなった。そんなプレッシャーがあるが、しかし栄一朗はまったく動じない。
副将戦に出て来る静谷未歌は、相沢華音ほどではないにしろ、この辺りの地区ではそこそこ名のある選手だ。大会出場経験も少なくない。
そんな彼女が得意とする戦法は、サイクル戦。パートナーズの並びからしてもサザンガルド+マリルリと、しっかり相性補完のされている並び。これを崩すのは、栄一朗のパートナーズでは辛いものがある。
なので彼は、相手のサイクルを崩すために、一つの作戦を立てた。
それは、相手のローブシンを釣り出して返り討ちにすること。サイクル戦を主軸とする以上、一体でもポケモンが欠ければ一気に試合が傾くはず。なのでカモを釣って手早くそのサイクルを崩すのだ。
相手のパートナーズにもいるローブシンは、栄一朗のパーティーに刺さっている。加えてこちらのパートナーズには輝石耐久のポリゴン2が見えているのだ。それを突破する駒は絶対に必要になるため、選出される可能性は極めて高い。
そんなローブシンを倒す栄一朗の駒は、眼鏡ラティオス。ローブシンと言えばチョッキがメジャーだが、眼鏡ラティオスのサイコショックならチョッキは無意味。そしてH振りだけなら眼鏡の火力でちょうど確一にできる。
これを軸として、あとは周りのポケモンを固め、栄一朗はここで相手の勢いを止め、大将である迅へと繋ぐべく、副将戦へと出陣した。
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ここで地区予選の決着がつくかもしれない、副将戦が始まる。ここで終わらせたい未歌と、絶対に勝って大将へと繋ぎたい栄一朗。
未歌のパーティーはサザンガルドマリルリを軸にした並び。壁クレッフィからの積みエース無双が怖かったため、自由枠にクレッフィを焼き払えるすりぬけシャンデラを連れて来た。
そして、当然の如くローブシンがパーティー入りをしている。
一方、栄一朗は自由枠にフシギバナ。どうしてもサザンガルドマリルリの並びがきついため、無理やりにでも受けるつもりで連れて来たようだ。
しかし未歌が警戒していたクレッフィはいない。となれば、壁で強引に積んで無双する、といったことはなさそうだった。
だがポリゴン2はきっちり連れてきている。なので、全体的に見ても刺さっているローブシンを迷わず選出する未歌。
栄一朗は確実に選出されるであろうローブシンを撃ち抜くべく、ラティオスの選出を確定。
お互いに思索を巡らせ、自分が最善だと思う三体を選出し終え、副将戦が開始された。
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今までは天変地異のように天候が目まぐるしく変わったり、保険迷彩で道連れをしたり、雨トリルで潮吹きしたりと、かなり異彩を放つ対戦ばかりだった。
しかしこの副将戦は、非常にポケモン対戦らしい対戦。まるでレート戦でも見ているかのような、堅実なサイクル戦が繰り広げられた。
基本は手堅く、時にはお互いの読みが決まったり決められたりと、一進一退の攻防が続く。
未歌は最初からサイクル戦を想定して組まれたパートナーズが軸、普通のサイクル戦になれば少しずつ彼女が有利になっていくが、未歌のローブシンと栄一朗のラティオスが対面したところで、栄一朗に好機が訪れた。
ラティの眼鏡がばれていなければ、ショックでローブシンを一撃で落とせる。そしてローブシンを倒し、未歌のサイクルを崩せれば、一気にこちらが優勢になる。
未歌もサイコショックは警戒しているが、ラティが退く可能性、ローブシンがラティの攻撃を耐える可能性、交換読み交換を決められる可能性——その他様々な要素を考慮した結果、ローブシンで居座ることを選択。
そこが、この対戦の決まり手だった。
眼鏡の火力でサイコショックを撃ち込まれたローブシンは一撃で落とされ、サイクルを回しづらくなった未歌はジリ貧となり、そのまま栄一朗に押し切られてしまう。
そして、副将戦は『闘神』側の勝利となり、最後の大将戦で、すべてが決まることとなった。
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