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Re: あなたのオリキャラでSS 新規のお客様募集中 ( No.108 )
日時: 2015/10/13 12:28
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: 7WYO6DME)

俊也様>>



 久しぶりの吸血鬼ネタです。しかもラブコメとな。
 俺様×明るい活発な女の子ってんでラブコメじゃなくてただのギャグになりそうな予感しかしないですけど大丈夫ですよね!?



「月影黄名子、お前は俺のものだ。絶対に逃がさねえからな」
「だが断る!!」

 1組の男女が対峙し、そんなことを話し合っていた。
 対峙というより、今流行している壁ドンである。壁際に追い詰められた黒髪にレモンイエローの瞳をした少女は、きっぱりとした口調で断った。
 壁ドンをしていた男子生徒——血のように赤い髪に緑色の瞳をした彼は、予想外の返答に少々思考がトンだ。1秒も経たずに我に返った彼は、引きつった笑みを浮かべて、

「何だと混血のくせに。俺の命令が聞けねえのか」
「うん、嫌だ。私は私のものだから!!」

 さらにきっぱりと断った黒髪の女子——名を月影黄名子という。
 返す刀のようにバッサリと断られて呆気にとられる男子生徒——榊原緋月は、黄名子の顎をがっしり掴んだ。

「……お前よぉ、俺が誰だか分かってん」
「紅葉みたい」
「ハァ?」

 突然の謎発言に、さらに置いてけぼりにされる緋月。彼女が何を言っているのか皆目見当もつかない。
 黄名子の視線は、緋月の緑色の瞳ではなく、そのもう少し上にある彼の髪の毛だった。
 なるほど。彼の髪の毛は真っ赤である。鮮血のようだ、ではなく紅葉のようだと言ったのだ——って。

「今はそんなことを言ってる場合じゃねえよな!? 顎掴まれながら何言ってんだ!?」
「いやー、もう秋だなぁと」
「阿呆か!? 阿呆だよなお前この雑種がァァ!!」
「イタッ!? 酷いよ、何で殴るの!?」

 的外れな答えをする少女の脳天へ向けて、割と本気の拳骨を叩きいれた緋月。俺は悪くない、こいつが悪いのだとひたすら責任転嫁の呪文を胸中で唱え続ける。
 殴られた脳天をさすりながら黄名子が緋月を睨みつけてきたと同時に、遠くの方で「黄名子ー」と彼女の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。彼女の双子の妹だろう。
 瞬間、パッと華やぐような笑みを浮かべた黄名子は、するりと緋月の拘束から抜け出して、声のする方へ駆けて行ってしまった。
 その場に残された緋月は、誰もいなくなった壁を睨みつけて拳を叩きつけるのだった。ちょっと痛かった。




 緋月さんが振り回されました。俺様は振り回したいんです、ごめんなさい。
 でも楽しかった!!