リクエスト依頼・相談掲示板

Re: あなたのオリキャラでSS書きます!! 俊也様完成です。 ( No.13 )
日時: 2015/09/22 16:45
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: gTez.RDd)

メデューサ様>>

まさかの俺ら戦争の復活を望んでいらっしゃる様子でしたのでさっそく。
……あれ、かなり前の小説だよな?




 宮園学園。
 何の変哲もない普通の私立高校である。——そう、見た目以外は何の変哲もない。
 見た目以外、と聞いてピンとくる者もいるだろう。「ではどこが普通ではないのか」と。
 授業だろうか? 校風だろうか? はたまた設備? 答えは全て否である。普通ではないのは、生徒の方だ。それも一部に限る。
 生徒の中、それも普通ではない件の一部は徒党を組み、己の能力をフル活用した『戦争』という名のいたずらを日々研究・実行していた。
 その集団の名は——

「ぅぉぉおおおおおおれええええええええええええええらああああああああああああああせんそぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 昼食時である。
 正確な時刻は12時ちょうど。長針と短針がピッタリと身を寄せ合ったその瞬間。
 賑やかに談笑をしていた生徒たちの声をかき消すかの如く、1人の男子生徒の絶叫が校舎中に響き渡った。かろうじて聞き取れた単語は『俺ら』と『戦争』である。一体何がしたいのやら。

「…………ぐふっ」

 その絶叫をモロに聞いたのか、はたまた咀嚼している最中に異物が器官に入ったのか。宮園学園の学食にてうどん(きつねうどん。大きな油揚げ入り。250円也)を啜っていた美少女が噎せた。
 廊下を歩けば男女共に2度見どころか10度見ぐらいするのではないかと言うぐらい、美しい少女だった。ピンクブロンドの髪の毛はきちんと手入れが行き届いているのか艶があり、生理的な涙を溜めるその双眸は鮮やかな緑。どう見ても日本人というかこの世界の住人であるかを疑いたくなるような容姿である。ピンクブロンドって現実に存在するのだろうか。
 そんな美少女はこともあろうにその高い鼻筋をてからせていた。多分噎せて鼻水が出たのだろう。

「……は、鼻からうどんが出そうになったわ……」

 ゲホゴホ、と噎せながら紙タオルで口元を拭う美少女。名をプリマヴェラ・ヘップバーンという。これでもカリスマモデルらしい。三次元に疎い作者は知らんが。
 ようやく咳も落ち着いたところでさて食事を再開しようとうどんを啜った瞬間だった。
 視界の端に現れた黒髪の男子生徒他4名に食事を遮られることとなる。

「あれ、ケツバーンちゃん? うどんなんて珍しいね?」
「むごひょっ」

 美少女にはあるまじき悲鳴。そして美少女の口から吹っ飛ぶうどん。鮮やかな茶色い飛沫を周囲に散らしながら、うどんは床に着地を果たした。べちゃ、と音がしたのは言うまでもなく。
 新たな紙タオルで口元を拭いながら、己の名を間違えるどころか何やら嫌な言葉で呼んだ怨敵を睨みつける。

「誰がケツバーンですって?」
「え、だってヒップってケツじゃねえの? 尻だろ? なあ理央」
「そうだな。蒼空でも尻は英語でヒップっての知ってんだな。俺はそっちに驚いたわ」
「ええ!?」

 やけにオーバーリアクションで驚く男子生徒。黒髪に青い目。純日本人だが、日本人ではなく異世界人なのではないかと疑いたくなる。だって青い瞳なんて以下略。
 二条蒼空。能力を使って日々『戦争』という名のいたずらに勤しむ集団、戦争組のリーダーを務める少年である。
 というか、プリマヴェラの名字はヒップバーンではなくてヘップバーンなのだが。そんな些細なこと、目の前の馬鹿少年が気づくはずもなく。

「ま、いっか。それよりもケツ。お前うどん飛ばしたぞ。ドジだなぁ」
「ケツじゃないわよ!! あとうどんが飛んで行ったのは貴方たちのせいだから!! ワタシのドジのせいにしないでちょうだい!!」
「あと制服にもうどんの汁が飛んでるぞ。ドジなのか?」
「貴方たちのせいだってば!!」

 真っ白なブラウスに飛んだ茶色い汁を布巾で拭うプリマヴェラ。なかなか取れないことに躍起になって拭いているうちに、布に皺ができてしまった。
 ああ、せっかく下ろしたてのブラウスだったのに。
 ガックリと肩を落とすプリマヴェラの頭を、ポンと誰かが手を置いた。
 金色の髪をした男子生徒。傍らにはパソコン。いかにも眠たそうなその表情。そして自分のことを見下ろして、

「プッ、ダッセ」

 嘲笑ってスマフォでピロリーンと撮影しやがった怨敵。——木崎音緒。
 ブチッと美少女の中で何かが切れた。多分堪忍袋という名のものが。
 美少女食いかけのうどん器をガッシリと掴むと、反吐が出るほど嫌いな相手の顔面に向かってパイ投げよろしく陶器の器を叩きつけてやった。少しだけ温くなったうどんの汁と真っ白な極太のうどんが彼の顔面を汚す。
 全身からうどんの汁を滴らせていい男ならぬ美味そうな男となった音緒は絶叫した。

「俺のパソコンがうどんの汁まみれにぃぃぃいいいい!?」
「Ha!! いい気味」

 パソコンが汁まみれになって絶叫する音緒を捨て置いて、騒がしくなった学食を後にするプリマヴェラ。
 ちなみに彼女が音緒にうどんをぶっかける姿をちゃっかり撮影していた蒼空は、その写真を某つぶやきサイトに載せたのだった。




 プリマヴェラちゃんごめんなさい。あなたはプリマヴェラ・ヒップバーンになりました。別にミスタイプじゃないです。思いついただけです。