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- Re: あなたのオリキャラでSS 10月19日18時募集開始 ( No.187 )
- 日時: 2015/10/29 11:45
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: 7WYO6DME)
俊也様>>
お待たせいたしました。紫乃&由乃君でギャグ!!
体育祭ねー、運動苦手だなー私ー。
澄み渡った蒼天。絶好の体育祭日和である。
吸血鬼と人間が共に学び、共に過ごすこの学園の一大イベント『体育祭』が本日開催された。
が、お祭り騒ぎから一歩外れたところで堂々とサボる吸血鬼が二名。言わずと知れた小紫兄弟である。
兄の紫乃は邪魔にならないように長めの黒髪をピンクのヘアゴムで結わき(というよりその辺の女子生徒に勝手に結ばれた)、木陰で胡坐を掻いて文句を垂れ流す。
「体育祭とかめんどくせぇ〜ぇ〜ぇぇ〜ぇ〜」
「……その、声はどこ、から出す、の」
どこか演歌のように文句を歌い上げた紫乃の横で、弟の由乃がぼそぼそと突っ込みを入れた。ちなみに由乃は髪を結んでいない。いつものように白髪をそのまま背に流し、顔の半分が隠れるほど前髪は長い。
さながら夜空のような紫のジト目で双子の兄を見やり、子供ぐらいの大きさがあるウサギのぬいぐるみを抱きしめる。
「紫乃なら、よろこ、ぶと、思った……」
「えー、俺だってめんどくせえよ体動かしたくねえよー。曇りとかならまだいいけどよぉー」
「僕たち……日光、へい、き……だけ、ど?」
「目がちかちかする」
「しょーもな……」
弟に「しょうもない」と言われたが、紫乃は気にしなかった。多分聞き流したと思う。ジト目で睨みつけてくる弟の視線を鮮やかに無視して、紫乃の赤みを帯びた紫の瞳は空を見上げた。雲一つない晴天だった。ド畜生。
すると、校舎に取り付けられた巨大なスピーカーが、ノイズ交じりの声を届ける。
『ガガッ——えー、借り物競争に出場する選手は速やかに入場門に集合してくださーい』
お、と紫乃が反応する。紫乃と由乃は揃って借り物競争に出場する予定なのだ。
軽やかに立ち上がる紫乃とは裏腹に、由乃は実に嫌そうな表情を浮かべている。可愛らしいゲフンゲフン——美しい表情が顰められ、なんか苦虫をすり潰して噛み潰して飲み込んだようなちょっと筆舌し難い表情となっていた。結論から言うと非常に面倒くさいのだろう。
胸の前に抱いたウサギのぬいぐるみを木の幹に寄りかからせ、ぼそぼそとした声で「行ってきます」をする。
「行って、くる……ヴァンピーノ=トラヴァーユ・ア・クリムゾンレッド・ブラッディ卿」
「え、そいつそんな名前だったの?」
滑らかな口調で冗談みたいに長い名前を口にした我が弟に、紫乃は「名前を変えた方がいいぞ。もしくは縮めろ」とアドバイスをするのだった。
ちなみにぬいぐるみの名前は適当に今思いついた名前を言っただけで、本当は違うようである。
さて、借り物競争と言えば単純に紙にかかれたお題に沿って、他者から物資を借りる若しくは強奪する競技である。昨今では定番の『好きな人』とかあるが、まあそんなのは平面の世界だけなので割愛。ペッペッ。
というより、借り物競争などいまどき体育祭の競技として設定されているのだろうか。甚だ疑問が残るが、とりあえず借り物競争は開始された。
選手全員がギャーギャー言いながら己の求める物資を探している中、吸血鬼兄弟の小紫紫乃と由乃はピタリと固まっていた。
2人の紙に書かれていたお題は、皮肉にも同じもの。
そう、定番の『好きな人』である。
「……紫乃、思い、つく?」
「……一人だけならな」
二人の脳裏によぎったのは、あの銀髪の少女である。護身用として拳銃を装備した、若干物騒ではあるが優しく可愛い子。
脳裏をよぎった彼女はジト目でこちらを睨み付け「あンだよ」と低い声で言ってきたのだが、まあ関係のないことである。
しかし残念なことがある。
小紫兄弟は二人、相手は一人である。彼女は分裂などできない。スラ〇ムではないからだ。
二人の視線が交錯し、
「由乃、じゃんけんするか」
「……恨みっこ、なし」
彼女を賭けて、戦い(という名のじゃんけん)の火蓋が切って落とされた。
ちなみに銀髪の彼女こと灰原俊樹はというと。
後からやってきた同じクラスの優紀が『頼りになる人』というお題を遂行する為に連れて行ってしまったので、どのみち小紫兄弟はゴールできなかった。
ちなみに兎のぬいぐるみの名前は本当に適当です。
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