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Re: あなたのオリキャラでSS リク締め切り ( No.212 )
日時: 2015/11/12 22:50
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: 6KsExnZ3)
参照: http://www.kakiko.info/bbs3a/index.cgi?mode

俊也様>>



 大変長らくお待たせして申し訳ありません。少々リアルの方が忙しくてですね……あと自分も物書きなもんで、自分の作品を書いていたりとか。
 いえ、言い訳をしても仕方がないので書きましょう。やりますやります!! 文化祭ですね!! そういえば母校の文化祭は先々週に終わりましたよ!! 商業科なので遅いんです!!





 俊樹と優紀のクラスはお化け屋敷をやることになった。
 血をイメージして赤い絵の具を飛び散らせた特殊な看板には、『恐怖!! 吸血鬼の館』とある。吸血鬼と共存しているこの学校では吸血鬼など減ったくれでもないのだが。
 さて、灰原俊樹と篠宮優紀であるが。

「……客引きとかめんどくせーな」
「その意見に激しく同意する」

 出し物のタイトルが書かれたプラカードを掲げて、人混み行き交う玄関ホールで宣伝を行っていた。
 ちなみに2人とも吸血鬼の格好をしている。優紀は創作でよく見かける貴族風の服装に牙をつけ、マントをバサバサとはためかせている。一方の俊樹はメイド服に死人の如き青と白を基調にしたメイクを施し、胸の前にウサギのぬいぐるみを抱えている。ちなみにウサギのぬいぐるみは小紫兄弟の片割れ、由乃から借りたものだ。
 意外にもふわふわした割と大きめのぬいぐるみをなくさないようにしっかり抱きしめながら、宣伝を行う為に声を張り上げる。

「お化け屋敷やってまーす」
「吸血鬼が暗闇の中で血を吸うかもしれないので虫よけは必須ですよー無料で貸し出しもやってまーす」
「……なあ、吸血鬼って虫よけ効くのか?」

 優紀の素朴な疑問に、俊樹は適当に「さあ?」と答えた。別に興味もなかったようだ。
 ふむ、と顎に手を当てて思考する仕草を取った優紀は不意に、

「じゃあ試してみるか」

 ————今何と?
 俊樹は怪訝な表情を浮かべるが、隣に立つ吸血鬼野郎こと篠宮優紀はお構いなし。のそのそと俊樹から離れて、人混みの中へと混じっていく。
 女子生徒やお客さんからきゃーきゃーと黄色い悲鳴を一身に受けながら、優紀はずんずんと進む。その後ろを慌てて追いかける俊樹。一体どこへ行こうというのか。
 ピタリと彼が足を止めたのは、何の変哲もない廊下。やはり人混みで溢れ返っているが、そこはさらに人が集まっていた。
 人の中心には、小紫兄弟の片割れである紫乃が困ったような表情を浮かべて女子生徒と接していた。紫乃は優紀と俊樹の存在に気づき、ブンブンと大きくに手を振る。

「おっす、優紀ととし——ブハァッ!?」

 彼は最後まで名前を呼ぶことはなかった。
 何故なら彼の顔面に虫よけが噴射されたからだ。
 口に入った虫よけスプレーをぺっぺと吐き出しながら、紫乃は顔面へダイレクトに虫よけを吹きかけてきた馬鹿野郎の優紀へ掴みかかる。

「何すんだ!!」
「いや」

 優紀はちらりと背後を見やる。
 一部始終を見ていた俊樹は、プルプルとその華奢な肩を震わせていた。笑いのダムが決壊寸前である。
 そんな彼女に追い打ちをかけるように、優紀はトドメの一言。


「吸血鬼に虫よけは効かねえんだな、と」


 俊樹の笑いのダムが決壊したのは言うまでもない。








 そういえば銀座にヴァンパイアカフェってあったんです。友達に誘われて行ったんですね、そこ。
 女の子は顔色悪いメイクしている上にメイド服だったんで、ぜひ俊樹ちゃんにしてもらいたいなと。