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Re: あなたのオリキャラでSS リク締め切り ( No.215 )
日時: 2015/11/14 22:22
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: 6KsExnZ3)
参照: http://www.kakiko.info/bbs3a/index.cgi?mode

ルナ様>>191



 大変長らくお待たせしました。ええ、ハイ待たせましたごめんなさい。
 料理ネタですが、いやー楽しみですねどんな料理を作っていただこうかな!!





 美音が料理にハマったらしい。
 きっかけは喫茶店のオーナーである長田宏樹の手伝いをしたからだ。長田の手伝って、彼女の中で何かが芽生えたのだろう。
 客も疎らになった午後、美音が調理場を貸してほしいと言ったので「綺麗に使うように」と念を押してOKを出した。
 ——なのに。

「————ねえ、何これ?」
「オムライスを作ったんですが……」

 美音はヘヘッと笑う。「またドジをやらかしちゃいました」と言った。
 長田の口元が引きつる。これは果たして料理と呼べる代物だろうか。
 目の前に置かれた皿に盛られているオムライスは——黒かった。焦げたというレベルではなくて、意図的に黒くしたような感じである。さらにその上から透明なブルブルとした何かがかけられていて、臭いは気絶しそうなほど酷いものだ。思わず口元を押さえてしまう。
 これはオムライスと言わないだろう。科学兵器と呼ぶべきだ。

「……ドジをやらかしたってレベルじゃないよね、これね?」
「えーっと……ま、まあ食べてみてくださいよ!!」

 ハイッ、と美音は長田へスプーンを押しつける。
 これを食えと申すか。
 目の前で笑顔を振りまく彼女は、どうやら相当の悪魔のようだ。笑顔で死刑宣告をしてくる辺り、悪魔ではなく死神のようだが。
 反射的にスプーンを受け取った長田は、黒い物体もとい美音特製オムライスを凝視する。震える手でスプーンをオムライスに突き立てると、ぶじゅるという嫌な音と感触を伝えてきた。食べたくない。
 行儀悪いが、手を止めずにはいられなかった。カクカクと美音の方へ視線を投げると、彼女は「さあ早くっ」と言ってくる。

「……よし」

 逝くか。
 死体は森山君に拾ってもらおう、と長田は心の中でつぶやき、オムライスをスプーンですくった。
 卵の部分は黒いが中身は普通のチキンライスのようだ。きちんと赤い。よかった、紫色とか青色とかじゃなくて。パクリと口に運ぶと、



 お、やっほー!! 長田じゃーん久しぶりぃー!!



 何故だろう。幻覚で森山がピンチの時に出てくる第二の人格に巡り合えた。
 そのまま長田はスプーンと共に意識を手放すのだった。





 オムライスのくだりはとあるラノベを参考に。楽しかったですありがとうございました!!