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Re: あなたのオリキャラでSS siyaruden様完成リク停止中 ( No.38 )
日時: 2015/09/26 18:51
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: gTez.RDd)

明星陽炎様>>



 面白いキャラをどうもありがとうございます。ものすごく書きやすそうです。
 というより、一方的に虎太君が可哀想な気がしないでも……どうなんでしょうね?



 お月見がしたいのでお月見団子を作れ、と坂崎緋色は従弟である虎太へ命令した。
 もうそろそろ寒くなってきたのマフラーを編んでいた虎太は、その手の動きを止めた。ちなみにマフラーの色は緋色である。別に坂崎緋色と緋の色を掛け合わせた訳ではなく、単にその色でマフラーを編みたかったから編んでいただけである。
 話を戻そう。
 革張りのソファーの背もたれに偉そうな態度でふんぞり返りながら、緋色は先ほど告げた命令をもう1度口にした。

「お月見がしたい。だから貴様、団子を作れ」
「……十五夜まだだよな?」

 今年の十五夜って確か9月27日じゃなかったっけ、あれどうだっけ、と虎太は思考を巡らせる。
 しかし、『性格:女帝』の緋色が許すはずがなかった。虎太の顎をガッシリと掴むと、無理やり己の方へと向ける。ゴキィという嫌な音がしたのは言うまでもない。

「私は団子を作れと言ったのだ。聞こえなかったのか? 3度は言わんぞ」
「ッ……ッ……!!」

 あまりの首の痛さに虎太の瞳には涙が浮かぶ。首が取れる。マネキンよろしく首が吹っ飛んでしまいそうだ。それぐらいにめちゃくちゃ痛い。
 緋色は「おっと」と軽い調子だった。パッと彼女の手が離れ、虎太はようやっと自由を獲得することができた。ズキズキと痛む首をさすりながら、こんな横暴を働いた緋色へ向かって抗議を始める。

「ひっでぇよ姐さん!! つーか、自分で作れよ面倒くさがるな!!」
「ああ、虎太。私は紅葉も見たくなってきた。街路樹を貴様の血で染めて紅葉狩りをしよう……」
「ごめんなさい作ります作らせていただきます」

 緋色の鋭い瞳に嫌な光が宿ったので、虎太は大人しく彼女の命令に従うことにしたのだった。自分の鮮血で染まった街路樹など誰が見たいものか。ていうか、自分は見れないではないか。死んでるし。
 確かホットケーキミックスとおからで作る団子のレシピがあったはず。いやここは王道で白玉粉を使用した、もちもちの白い団子だろうか。はて、女帝様はどのような団子をご所望しているのだろうか。制服の腕をまくりながら、虎太はうーんと眉間に皺を寄せて考えるのだった。



 本当に短いな、これ。まさにSSらしいSSと言いましょう。ごめんなさい言い訳です。
 でも街路樹を血で染めて紅葉狩りをしようという台詞はずっと前から考えてました。