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Re: あなたのオリキャラでSS 新規のお客様募集 ( No.54 )
日時: 2015/09/28 22:38
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: gTez.RDd)

siyaruden様>>


 依頼を見てみたらまさかの登場人物死ネタなし。う、うーん……。
 まあ、死なない程度にやってみます。





 平和な世界に突如として振り撒かれた謎のウイルス。
 そのウイルスは、人々の鼻から口から耳から傷口から目から毛穴からと、ありとあらゆる場所から侵入を果たし、本能だけでこの世を彷徨うゾンビへと変化させた。
 当然世界は混乱に満ち、公的機関はストップ。多くの人類をゾンビの恐怖から守る為に、ゾンビを機能停止した都市部に集めて閉鎖した。ゾンビに身を食われる恐怖は、これで断ち切られた。
 しかし、都市部には未だ生き残っている人間がいた。その人数は決して多くはないが、懸命にゾンビの魔手から逃げていた。

「クソッ、これなんて映画だよ!! 絶対にR指定がかかるような、サバイバルホラー確実じゃねえか……!!」

 荒れ果てた道路を突っ走る1組の少年と少女。
 少女の方は艶のある黒髪に、吊り目がちの赤い瞳が特徴。焦げ茶色のブレザーを着ているところから察すると、おそらく学生なのだろう。その手に握られているのは、現代の日本では禁止されている100センチ前後の太刀が1本。
 少年の方は焦げ茶色の短髪に、紫色の瞳が特徴的である。こちらも少女と同じく焦げ茶色のブレザーを着用している。その手に握られているのは少々バイオレンス臭漂う、血痕がついた鉄パイプ。そして腰の辺りに見え隠れするのは単発式の拳銃だった。鉄パイプはともかく、拳銃は当然禁止されている代物である。

「……しゃべっている暇があるなら、その力を足に回しなさい」
「うげぇ……朔夜先輩それマジで言ってる?」
「陸上部なんだから慣れてるでしょう。ゾンビの餌になりたいのだったら止めないわ、肆崎君。存分に食われてきなさい」
「走ります。走らせていただきます」

 黒髪の少女、真霧朔夜は淡々とした口調で告げる。
 茶髪の少年、肆崎巧は半分泣きながらも、少女の命令通り走り続けた。
 ガラスの破片を踏みつけ、コンクリート片を飛び越えて、乱立するビルの群れを駆け抜ける。ゾンビの集団は徐々に数を増やし、なおも2人を追い続ける。

「こっちよ」

 朔夜の指示に基づき、2人は空きビルに飛び込んだ。
 姿を消した人間を探して、ゾンビの集団はビルとビルの間を徘徊する。植え込みに倒れ込むゾンビもいれば、壁に頭を叩きつけているゾンビもいる。まるで動物だ。

「……地獄のようね」

 朔夜はガラスのなくなった窓から外界を見下ろして、吐き捨てた。あれだけ走ったというのに、彼女は汗1つ掻いていない。
 一方の巧は肩で息をして、ボロボロに荒れた床に座り込んでいた。玉のような汗が浮かぶ額を制服の袖で拭い、

「先輩、これからどうします? 最初は勇敢に戦っていた人たちは、次々と食われて死んじまった。それかウイルスにやられてゾンビの仲間入りを果たしている。俺らのようにまだ正気を保っている人間はもう、」
「いないかもしれないわ。だけど」

 刀を構え、朔夜は変わらぬ口調で言い放つ。

「戦うしかないじゃない。この残酷な世界で、生き残る為に」

 硝煙と死臭を伴った生温い風が、朔夜と巧の頬を撫でる。
 やれやれ、と巧は肩をすくめ、

「先輩がそう言うんなら、もう少し頑張ってみましょうかね」






 中途半端かなぁ。なんかお目汚しすいませんでした。