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- Re: あなたのオリキャラでSS 新規のお客様募集 ( No.58 )
- 日時: 2015/09/29 11:49
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: 7WYO6DME)
siyaruden様>>
おはようございますの時間から投稿して下さるとは……。
てな訳でこちらもこんにちはの時間帯に投稿しました。
閉鎖された都市部には、ウイルスに侵されゾンビと化した人間が蔓延っている。
そこに運悪く閉じ込められた人間は、ゾンビに対抗すべくあらん限りの武器を用いて徹底抗戦を繰り広げていた。法律で禁止されている刀や拳銃、それらを私用してゾンビを殺す。そんなサバイバルホラーが展開されていた。
ゾンビの残骸は機能停止した都市部のあちらこちらに散らばり、時には脳天を撃ち抜かれて脳漿を飛び散らせた屍や、粉微塵になるまで体を切り刻まれた死体までゴロゴロと転がっている。
中には人間の死体も転がっていた。腕や足、脇腹を噛み千切られて絶命している。死体は血の海に沈み、衣服や毛髪や肌を真っ赤に染めていた。ゾンビに食われたのだ。目も当てられない惨状が、都市のあちこちに広がっている。
そんな目を塞ぎたくなるような惨劇に塗れた町を、少女が1人で走っていた。
年は十代後半ぐらいだろうか。制服に身を包んでいるところを見ると、おそらく中学生か高校生ぐらいだろう。茶髪のツインテールを揺らし、必死の形相で走っている。
可憐な彼女を追いかけているのは、30代から40代の男だった。ゾンビではない。生きた人間である。
ゾンビが蔓延るこの町で生きることを諦め、本能のままに全てを貪って死のうという輩だ。いわゆる暴徒である。ゾンビの町に閉じ込められ、ただゾンビに食われて死ぬぐらいならいっそ——とでも思っているのだろう。
「嫌、いやぁ!! こないでこないでこないでぇ!!」
少女、藤林理紗は悲鳴じみた声を曇天へ轟かせた。
血の海を飛び越え、人の死体を蹴飛ばして、飛び散った臓物や脳漿を踏み潰して、ただただ逃げる。逃げまくる。
怖い。ゾンビに追いかけられるよりも怖い。いっそ追いかけてくる男を殺せたらどんなに楽だろうか。だが、理紗には人を殺すなどできない。そこまでの勇気は持ち合わせていないのだ。
ゾンビなら「生きる為」と自分に言い聞かせて、拳銃で撃ち抜くなりなんなりできただろう。
しかし、相手は人間だ。残り少ない人間を殺したくない。だから必死に逃げる。
「あ、」
暴徒から逃げていた理紗の足が止まってしまった。
その先はなんと行き止まり。ビルとビルに囲まれた、薄暗くて狭い路地裏。
足音が徐々に近づいてくるのが怖い。ペタ、ペタ、と覚束ない足音が理紗の恐怖心を駆り立てる。
誰か助けて。
助けて。助けて助けて助けて助けて。
両手を組んで、いやしない神様に助けを懇願した。
「————ギャ」
どちゃっ。
何やら鈍い音が聞こえてきた。同時に足音は聞こえなくなる。
一体何が起きたのだろうか。曲がり角がある為、理紗には何が起きたのか分からない。恐る恐る曲がり角の向こうを覗き込んでみる。
そこには一面の真っ赤な世界が広がっていた。
追いかけてきていた暴徒の頭部は潰れ、足はひしゃげている。赤い海に沈む暴徒の死体の傍らに、見知った少年が1人。
「……巧……?」
「理紗か、無事でよかった」
血を滴らせた鉄パイプを担いで、その少年は力なく笑った。
慌てて書いたようなもんだからクオリティ低くてごめんなさい。
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