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- Re: あなたのオリキャラでSS 新規のお客様募集 ( No.68 )
- 日時: 2015/10/01 18:36
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: UK8YjfXC)
メデューサ様>>
放置していたわけじゃないんです。ちょっとお話について頭を捻っておりました。
言い訳するつもりはありません。いつも通りに俺ら戦争やりましょう。
その日、特例で1年生ながらも図書委員長を務める御雨ちはやへ、先生から一言。
「今日、あの馬鹿どもくるからヨロシク」
正直、その一言だけでは一体何のことなのか分からなかった。
図書室の司書はいるが、もう80を超えるご老人なので耳が遠い。なので図書室の本を網羅しているちはやが司書代行で図書室に入り浸っているのだが。
はて、あの馬鹿どもとは一体誰のことだろうかとちはやは首を捻る。だが、先生は問答無用でちはやに仕事を押し付け、「私は職員会議だから。終わった見にくる」とだけ言い残して、さっさと図書室から去ってしまった。
とりあえず言われた通りに図書室で待っていると、その答えがやってきた。
「ちわー、宮園高校生徒会からのお願いできました戦争組でーす」
ドアベルを鳴らして入室してきたのは、黒髪碧眼の男子生徒。この宮園高校の有名人。戦争組の総大将。
二条蒼空、その人だった。
「……図書委員長の御雨ちはやです。本日はどのような用事で」
「生徒会から蔵書を運ぶようにって言われたんだわ。あと新書も持ってきた。古い本は運び出して、新しい本を入れろってさー」
「そうでしたか。で、その新書はどこに?」
「結構大量にあってな」
蒼空は黒髪をガシガシ掻きながら、背後を見やった。
のそのそとちはやの元まで歩み寄ってきたのは、金髪の男子生徒。戦争組発案者で幹部だったが、まあ名前は忘れた。総大将の方があまりにも有名だから。確か浅比奈奏人だったか。
彼は両腕いっぱいに大量の段ボールを抱えていた。顔が見えないくらいだった。かろうじて金髪は見えたのだが、顔は見えない。つか段ボールが段ボールタワーとなってちはやの眼前に迫る。
絶妙なバランスを取りながら、蔵書が入った段ボールタワーをちはやのいる机の上に乗せた。みしぃ、と嫌な音を聞いたような気がする。
「……これ重くなかったんですか」
「バランスを取るのが大変なだけで、あとはこいつ怪力だから」
「いや最初は持てなかったぞ俺。お前が重力操作してくれなかったらマジヤバかった」
金髪の男子生徒は蒼空へと振り返ってそんなことを言うが、ここまで運んでこれたのがすごいとちはやは素直に思う。
「では新書はこちらで確認しておきます。運び出す蔵書はこちらにリストアップされていますので。よろしくお願いします」
「合点承知。うーい、戦争組。さっさと仕事終わらせんぞー」
うーい、とやる気があるのかないのか分からないような返事をしてから、戦争組は散り散りにリストアップされた蔵書を探し出した。
さて、とちはやはうず高く積み上げられた段ボールタワーを見上げる。1番上の段ボールは、さすがに手を伸ばしても届かない位置にある。
これどうすればいいんだ。
脚立を運んできて、下ろせばいいかとちはやが思ったその直後。
「ちはやちゃーん! ちはやちゃんちはやちゃんちはやちゃーん!」
ちはやの動きが止まった。
ドアベルを鳴らすどころか「俺とちはやちゃんを阻むなこのドア畜生」と言わんばかりにバァン!! とドアを勢いよく開いてやってきたのは、黒髪の男子生徒だった。夜色の瞳は見つめられたら引き込まれそうなほどに、不思議な魅力を携えている。
御雨真事。ちはやの兄である。
ちはやは顔を顰めた。表情を台詞で表すならば、「うわ出た」だろうか。
そんなちはやの態度を知ってか知らずか、もしくは見て見ぬ振りか。段ボールタワーの向こう側から回り込んできて、ちはやへ抱きついてきた。
「うはー、久々のちはやちゃんだぁ! 半日ぶり? 3時間ぶり? 久しぶりだねちはやちゃん! クラスの女子どもを眺めているよりちはやちゃんを観察していた方がずっと有意義だよね!」
「まこ兄、うるさい……」
無理やり抱きついてきた兄を引き剥がす妹・ちはや。その顔は心底嫌そうである。
と、ここで横やりが入ってきた。言わずもがな、戦争組の二条蒼空だった。
「図書委員長、これも持って行っちゃっていい? 中身破れてるんだ」
「……」
中身の破れていると言われている文庫を掲げてやってきた蒼空を、何故か自然と睨みつけてしまうちはや。どうせ戦争組が破ったのだろうと邪推したのだ。
しかし現実は違うものだった。というより、どこから現れたのか参謀をしている二条蒼空の幼馴染、織川理央が否定した。
「蒼空は破ってないぞ。ていうか、戦争組は図書室出入り禁止になってんだ。今回だって断ったんだけど、椛先輩がどうしてもって頭下げてくるから仕方なくやってるだけだ」
「…………」
「あのな、図書委員長ちゃん。お前が委員長に就任したのは6月だよな、確か委員会もそのぐらいの時期に決めたし。それよりも前に俺ら戦争組は図書室出入り禁止になってんの」
「………………」
「出入り禁止になった理由は俺らの1つ上の先輩と図書室でドンパチやらかしただけだから。そいつらが破ってただけだからな」
理央の言うことがどうしても信用できないのだが、表情が冗談を言っているようには見えなかったので信用することにした。
新入生歓迎会で馬鹿みたいな劇をやらかした連中だ、どうせ図書室の本をいたずらで破ったに違いないと踏んでいた訳だが——きちんとやってはいけないことの分別はあるようだ。
「いたずらはやらかすけど人の道は踏み外さねえってな。これ戦争組の信条。覚えておいてな」
ハイ、と蒼空から文庫本を手渡され、反射的に受け取ってしまった。
ついでと言わんばかりに蒼空は段ボールタワーをわざと崩し、得意の無重力で空中付近を漂わせてから、戦争組メンバーに回収させていた。新書の収納の仕事まで取られてしまった。
呆気にとられているちはやの横で、怒りを露わにした真事が戦争組へ噛みつくように怒鳴る。
「やい戦争組!! 誰の許可を得てちはやちゃんに話しかけてんだコラァ!!」
「うわ、なんだこいつ」
間近で怒鳴られて驚いたのか、蒼空がビクッと肩を震わせる。集中が真事の方へ向いても段ボールは宙を漂っていた。
「だからぁ! 誰の許可を得てちはやちゃんに! 俺のちはやちゃんに話しかけてんだっての!」
「蒼空、こいつ隣のクラスの御雨だ。無視しろ、めんどくせえから」
「参謀がそういうなら仕方ねえ」
ギャンギャン騒ぐ真事を鮮やかに無視して、新書の整理を進めていく戦争組。鮮やかなヤンデレクラッシュである。
業を煮やした真事は、重力操作で段ボールを浮かばせていた蒼空の背中へ、綺麗なドロップキックを叩き込んだ。
そのせいで前につんのめった蒼空は、己の背中を蹴飛ばした真事へ掴みかかった。
「テメェ何しやがる!! こちとら仕事中だってのによぉ!! 喧嘩売るなら戦争してでも買うぞ!!」
「うるせー人のことを無視しやがって!! お前ちはやちゃんの何なんだよ俺のちはやちゃんだぞ!!」
「ヤンデレはもうたくさんだっつーの表出ろ!! こちとら個性豊かな問題児を束ねる戦争組のリーダーだぞ!!」
「それがどうしたァ!!」
激しい口論をした後に、互いの額をぐりぐり押し付け合って威嚇する馬鹿2人。
理央はすでに見捨てたのか作業に集中し、他の戦争組は「いけー蒼空ー」などと囃し立てる。
これは図書委員長として彼らの喧嘩を止めなくてはならない。ちはやは仲裁するべく息を吸い込んだが。
直後、2人の脳天に箒が叩きつけられた。
叩きつけたのは、御年80になるよぼよぼのおばあちゃん司書。皺の目立つ目をかっぴらいて、
「図書室ではお静かに!!」
「「う、うす……」」
有無を言わせぬ台詞に、蒼空は作業へと戻り、真事は大人しく読書スペースの椅子に座るのだった。
完全にやることをなくしたちはやは、全てを諦めて新書のチェックをしていくのだった。
お題の台詞は誰が言うとか決めてないもんね。へへーん!!
ちはやちゃんの出番がなくなったごめん、でもお兄さんがあまりにもいいキャラだったから(テヘペロ
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