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Re: あなたのオリキャラでSS 新規のお客様募集 ( No.80 )
日時: 2015/10/04 22:51
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: gTez.RDd)

モンブラン博士様>>



 ちょうど我が家もカレーでしたということをここに宣言します。——いらねー情報だよって言いたい訳ですよね分かります。
 コメディですので好き勝手やらせてもらいました。キャラ崩壊していないのか心配です。



「カレーは甘口が1番なんです!! 兄さん、何で分かってくれないんですか!!」
「カレーは辛いのが最も美味なのだ!! そんな甘いカレーを食べているから、貴様は軟弱なのだ!!」

 テーブルを挟んで、1組の兄弟が激しい口論を繰り広げていた。上記の内容から分かる通り、カレーの辛さについてである。
 カレーは甘口であると主張したのは、年端もいかぬ少年だった。柔らかそうな茶髪に、色素の薄い瞳が特徴だった。少々カレーを食すのに適さない白いシャツに半ズボンという子供らしいスタイルをしている。彼の名を星野天使という。読んで字の如く、天使のように愛らしい少年だった。
 一方、カレーは辛口であると主張したのは、相対する少年とかなり歳の差が開いた青年だった。腰の辺りまで伸ばした長髪に、相手を睨みつける瞳はさながら猛禽類のよう。鍛え抜かれた筋肉を惜しげもなくさらし——要するに、半裸である。名を不動仁王という。不動明王のように厳格な雰囲気を漂わせる青年だった。

「何度も言っているでしょう。カレーは甘口が美味しいんです、最高なんです。カレーと言ったら甘口!! これが常識なんですよ!!」

 甘口と書かれたレトルトカレーのパッケージを厳めしい兄の眼前に突きつけ、甘口が美味いと主張する天使。怒った顔も可愛いと思えてしまうのは目の錯覚か何かだろう。
 そんな弟の主張を「フン」と鼻で嘲笑い、仁王はテーブルの天盤を思い切り叩いた。バァン!! という音と共にミシィとテーブルが軋む。どれだけ力強く叩いたのだろうか。そんな兄の(理不尽な)攻撃に、テーブルは見事耐えて見せた。

「カレーは辛口!! しかも激辛だ!! それ以外は断じて認めぬ!! 甘いものを食べると思考が軟弱化してしまう!!」

 真っ黒なレトルトカレーのパッケージを引っ掴み、弟の眼前に突き出す仁王。パッケージには金色の文字で『激辛』と書かれており、さらに隅の方には涙と汗を吹き出して顔を真っ赤に染めた男の人が『舌が取れるような辛さ!!』と謳っている。
 2人の間で激しい火花が散った。
 兄思いな天使であるが、カレーばかりは譲れなかった。甘口のカレーが何よりも美味いと考えているからだ。
 一方の仁王も、激辛カレーを引き下げる訳にはいかなかった。カレーは激辛が1番であると確信しているからだ。
 互いの眼前に突きつけられたカレールーのパッケージを1度下げ、それから天使がため息交じりに、

「こうなったら拳で語り合うしかなさそうですね……」
「弟よ、俺に拳で勝てるとでも思うのか? 臍で茶が沸かせるぞ」
「今に思い知らせてやります……カレーは甘口が1番であると、兄さんの口から言わせてやる……!!」
「そうこなくては、弟よ!! かかってこい!!」

 今、カレーの味を決める戦いの火蓋が切って落とされた。
 晩御飯がカレーとなると2人の意見が対立しあって喧嘩が勃発する、それがこの兄弟の日常だった。
 ……ちなみに2人の頭には『中辛』という折衷案はどうやら存在しないようである。




 最後の1文に作者の意見を述べてみた。
 カレーは好きだけど、何日も続くと飽きてきますよねエヘヘ。お目汚しすいませんでしたァ!!