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Re: あなたのオリキャラでSS 次回の応募は10月7日18時から ( No.99 )
日時: 2015/10/09 12:31
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: 7WYO6DME)

コトコト様>>


 という訳で早速ささっと書き上げて見せます。
 へたくそでごめんなさい。最初に土下座させてください。


 学校に忘れ物をして、慌てて取りに戻った。家までもう少しと言うところで気づいたので、学校に着いた時はすでに夕方だった。
 上履きにも履き替えずに、急いで教室へ向かう。窓から差し込む夕日のせいで、校舎内が火事のように真っ赤に染まっていた。
 誰もいないことをいいことに廊下を走り、諏訪皐月は自分の教室の扉を開いた。
 ガラリと引き戸を開けた先に、人が立っていた。

「……え、甲斐? 貴方何をしているの?」

 夕日が差し込み、真っ赤に染め上げられた教室。時計が示す時刻は5時になるほんの少し前を示している。
 いくつも机が並べられた教室内に1人佇んでいた少年——甲斐尋乃は、ヒラリとその手の中にあるノートを皐月へ示した。
 その手に握られているのは皐月のノートだった。これが目的で学校まで取りに戻ったのだ。

「忘れていったぜ。お前間抜けなところあるんだな」
「う、うるさい!! 返してよ!!」
「ハイハイ、言われなくても返してやるよ」

 ホイ、とノートを手渡されて、皐月は呆気にとられてしまう。何か目的があるのか、と目の前の少年を半ば睨みつけるようにして見上げた。
 紅蓮の色に同化しつつある茶色の髪。180前後はある高い慎重に、引き締まった体躯。スポーツをしているからだろう。くすんだ赤色のヘアピンが、夕日を反射する。

「つうか、帰らなくてもいいのかよお前。もうそろそろ最終下校時刻になるぞ」
「か、帰るわよ。帰る!!」

 ノートを鞄の中に突っ込み、皐月は尋乃の前から慌てて去った。



 走り去る黒髪の少女の背中を見送りながら、甲斐尋乃は声を押し殺して笑った。
 ノートを手渡した時に見えた、少女の呆気にとられた顔。くすんだ赤い眼鏡の向こうにある、黒曜石のような双眸が限界まで見開かれたあの瞬間。
 間抜け顔、と思ったが口に出さなかったことをほめてほしい。そして同時に、「可愛い」と思ってしまったのもまた事実。
 髪を留める赤いヘアピンを指先でつつきながら、

「ったく、せっかくあいつの眼鏡と御揃いにしたのになァ。気づかねえでやんの」

 吐き出された言葉は、5時を告げる夕焼けチャイムの音にかき消されるのだった。




 これラブコメかなぁ、とか思いながら書きましたごめんなさい。
 急ピッチでガタガタです。