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- Re: 徒然主の鑑定処【仕事中】 ( No.12 )
- 日時: 2016/02/29 22:19
- 名前: 黒崎加奈 ◆KANA.Iz1Fk (ID: jwhubU7D)
いやー、何が21日だよもう2月終わるじゃねーかと罵ってくださいませ。
それでは鑑定結果です。
まず、基本的な文章ルールは出来ているようですので、要修正、という項目はありません。が、一つだけ気になったところがあったので。
・No11の本文に半角スペース
恐らく、書いているときのソフトやなんやらの影響かなーと思いました。他のところはなかったので、パパッと直せる部分かなと。
そんなこんなで、ここからは表現の話になりますので、参考程度にしていただければなと思います。
・主人公
この話の主人公が町井であると、あとがきで述べていましたが、ちょっと弱いかなと感じました。
確かに、みたか視点の時から中学時代の町井のことは書いてあるし、物語の軸として『自分の容姿にコンプレックスを抱いていた主人公が、転校をきっかけにありのままの自分を受け入れられるようになる』というのは読み取れます。ですが、それにしてはみたか視点の時に、彼女の描写を細かくしすぎているのがあり、彼女が主人公なのでは、そう感じてしまう場面も多いです。事実、『現在付き合っている彼氏がいるが、初恋の相手が転校してきて揺らぐが……』という軸でも、この話は読むことが可能です。
浅葱様の解釈通りであるならば、最初の『自分の容姿にコンプレックスがある』の部分が、彼の視点ではなく、みたか視点で多く説明されています。本人の言葉で説明されたのも、なぜみたかを好きになったのか、ということに対する理由としてです。物語の結末たる部分は本人の視点なので問題ないですが、前半が客観的な分、そんなに強く根付いてるコンプレックスなのか? と思ってしまいますね。
逆に、みたかが主人公という観点で見ると、『初恋の相手である町井に告白されてどう思ったのか』という結末の部分だけがないです。それまで町井に対して、空に対して、それぞれに動く彼女の心情が綴られていたため、どうなったの? と思ってしまいました。こちらに関しては浅葱様の思惑と違う平行部分ですので仕方のないことではありますが。
上記二つが混ざり合ってるため、どっちつかずな印象を受けました。あとがき見て『あ、これ町井にスポット当てたかったのね』と理解した感じです。
個人的に、みたかの心情描写を減らして、町井の心情描写を増やすと良いのかなと思います。減らす個所としては、兄との関係、クラスメートを介した町井の紹介。増やす個所が、編入してみたかと再会した時の町井の思い、みたかが転校した後の町井の思い。この辺りを足し引きしてみると、「主人公」が引き立つのではないかと。恐らく「自分自身を否定することはやめよう」このセリフを言わせたかったのかな、と推測しますが、その言葉もより、読者に伝わる話になると思います。
・一貫性
上の主人公の部分と重なってきますが、あえて分けたのは物語の軸でみた話、一貫性について言いたかったからですね。視点が、みたか→町井→空→町井と動きますが、空の視点は必要でしょうか。
物語の軸が町井についてです。みたかが町井を夢にみるところで起、町井の編入で承、みたかに告白することで転、そして自分を受け入れるところで結。物語の主核となる2人の視点だけで繋いだ方が、読みやすいのかなと。確かに、物語に深みは出るのですが、スピンオフや他の短編の方に組み込んでも良い内容だと感じました。
理由としては、空の葛藤が主軸だったからです。視点の終わりも「悩みを知らないようだった」と伏線を張るような形です。あれ、本筋の軸から外れてる。流れからは逸れてませんが、まったく違う軸がポンと投げ込まれていますよね。
個人的に、伏線というのは物語の中で回収するものだと思ってます。短編であろうと長編であろうと、1つの軸があって、それを物語にしていく。軸を物語たらしめるもの、それが伏線である、そんな捉え方です。この先、「失意のセレナーデ」という短編集を書くにあたって、短編同士をリンクさせていくのかなと思いますが、2つ、3つと話をまたぐ伏線を張るのであれば、もっと大雑把な伏線であるべきかと。まだ1作しか短編集としては出てませんし、浅葱様が短編集をどの方向に持っていくかは、わかりません。ですが、恐らく、この空の悩みはいつかの短編の主軸と関わるべき伏線であって、短編集全体の軸と関わる伏線ではないと考えます。
だから、必要ないんですよ。これが長編の1章であるなら問題ない視点です。でも短編集です。長編はいくつもの軸をより合わせて1つの糸にしますが、短編同士をリンクさせる短編集は、まったく違う線(短編)が集まる中心部分の点に短編集の主軸がある、いわば*の記号のようなものだと捉えるとイメージがつきやすいでしょうか。実際はもっとたくさんの線が交差していますが。
なので、それぞれの軸に繋がる、線同士の繋がりっていらないんですよね。ぐちゃぐちゃになっちゃうから。1つ1つの話は独立しつつ、登場人物や世界観を共通させることで一体性を出していくので、空の悩みの短編を書いたときに、仮面舞踏会のこの場面と関係するんだよーと示せば、その時、空がどういった想いを持っていたかは伝わります。先に載せた短編とリンクすることはできるけれど、まだ載せていないものとはできないということですね。じゃないと『短編』として自己完結しませんから。ただ、『短編集』を完成させるための伏線は張れる、そんな感じです。
私も短編集はスレとして持ってますし、同じように短編同士のリンクもさせています。ついでに長編の方とリンクしている短編もあったりします。リンクさせるときって、それぞれが独立していないといけないんですよね。ほら、よく色が混ざる時の図で丸が重なってるのがあるじゃないですか。あんな感じです。色んな色が登場しているけれど、もとになる色は3つで、それは全く違う色。短編集ってそんな感じの構成じゃないかなって。もちろん、まったく関係ない短編をポンポン載せてく短編集ならこんなの考えなくていいんですけどね。
こんなに偉そうに言ってるけど、お前はどうなんだってな。盛大なブーメランだよ((
とまぁ、気になったのはこの2つですかね。いやー、誤字脱字も読んだ範囲では見つからないしお見事ですね。こんな鑑定じゃなくてふつーに読者として読むならなんも突っ込みませんわ。彼らの今後はどのように動いていくのか、楽しみにしたいと思います。
以上で浅葱 游様の小説「失意のセレナーデ」の鑑定結果といたします。予定より大幅に遅れて申し訳ありません。また思うところがあれば、足を運んでいただければなと思います。
確認の意味合いも込めて、一言で構いませんので返レスしていただければなと思います。
*この鑑定結果に対する質問・批判等は作者様本人からのみ、受け付けます。
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