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Re: 徒然主の鑑定処【仕事中】 ( No.34 )
日時: 2017/10/11 23:44
名前: 黒崎加奈 ◆KANA.Iz1Fk (ID: 06in9.NX)

さて続き。思ったより長くなったね。うん。


ですが、上記だけを直しても意味がないのが流沢様の現状でもあります。

さて、物語を書くのに必要な要素は何でしょうか。ざっくり分けるとストーリー、キャラクター、文章能力の3つになります。しかし不思議なもので、3つ揃わなければ人から読まれる小説にはなりません。いくらストーリーやキャラクターが個性的でも、それを伝える文章がなければ意味がありません。その逆も然りです。
今回『夜明けの演者』を読んで、一番甘いと感じたのはストーリーです。その次にキャラクターで、文章能力が最も優れている項目だと感じました。
文章に関しては、あと1,2年書き続ければ自分の文章として固まるのかなという印象です。
では問題のストーリーとキャラクターのお話に参ります。

・ストーリーとキャラクター
 申し訳ありませんが、読み終えた感想は「で?」の一言につきます。なぜそんな感想になるのかというと、ストーリーの本軸が薄っぺらいからです。そうなっている原因は、キャラクターが多すぎることと、そのキャラクターのバックストーリーを一々書いていることです。
 物語の中で、読者に感情移入させるべきは主人公です。もちろん場面によって差はありますが、割合でみたら主人公が一番多くならなくてはいけません。しかし、流沢様の場合それができてません。
 それぞれのキャラのストーリーを描きすぎて、本軸のフルージアがおざなりになっています。第一部でフルージアの物語は終了、2-3は他のキャラの短編を読んでいる感覚でした。
 なんというか、モブキャラのストーリーを描いたあとに、もう少しフルージアの感情を描写できると、感情移入がしやすかったのかなと思います。
 あともう一つは親記事の導入文章とストーリー違いすぎません? 導入文章を読む限り、この物語は特殊部隊での華々しい活躍と、その能力からついた「二つ名」のような印象を受けます。しかし、蓋を開けると全く違って、部隊のメンバーの活躍とストーリーが殆ど。結末も結局、劇団なのねと。
 私自身プロットを立てるタイプではないので、プロットを必ず立てろとは言いませんが、必ず物語の軸は確認するべきです。連載小説の場合、読者は結末から物語を読むことは出来ません。結末からみれば整合性の取れている物語ではなく、初めから読んで矛盾がないストーリーを目指してください。

・キャラクター
 キャラクターそれぞれのストーリーとか、個性に関しては面白かったです。ただ、数が多すぎます。最初からあんなに登場したら、誰が誰だかわからないし、名前しか登場しないと男か女かすら分かりません。登場の目安は1レスにつき2-3人です。それ以上登場すると、読者はついていけません。それ以上出す場合はあとで補うなどで対処できますが、それも5人とかなら、です。1レスに8人も10人も新出したら多すぎですよ。
 また、キャラが多すぎるせいで、その後重要なキャラが印象に残らないという欠点が生まれます。劇団のメンバーが最後の方に出てきても名前まで覚えてません。名前なし<名前あり<主人公の優劣はきちんと付けないとダメです。あくまでも、主人公の物語だということを忘れずに。
 使い捨てのキャラは必要最低限。重要なメインキャラだけ、細かく描写してあげると差別化ができます。正直、フルージアの容姿とか少ないです。
 恐らく今回の小説だと、劇団3人、部隊6人ぐらいのサブキャラクターだと長さ的にもちょうど良かったのかな、と思いました。

とまぁ、こんな感じでしょうか。総評としては、勿体ないの一言に尽きます。せっかく発想や文章、設定、キャラは良いのに、全部使い方で潰してる印象です。
ただ、上手く直せれば将来化けるだろうなという感覚です。キャラとかが羅列されると読むのを止めることが多いんですけれど、するすると読み進められるんですよね。そういうのって、文章の繋ぎ方とか場面転換が上手いということで、その辺りは身につけようと思って身につくものでもないので。

以上で流沢藍蓮様の小説「Stories of Andalsia 夜明けの演者」鑑定結果とさせて頂きます。
確認の意味合いも兼ねて、一言で構いませんので返レスしてもらえたらなと思います。宜しければまた足を運んでくださいませ。

※この鑑定結果に対する質問・批判等は作者様本人からのみ、受け付けます。