【短文 016〜020】016 水平線に呑まれた。017 あの夏がわたしを殺しにきてる。ただ、それだけ。018 それは同意ですか、それとも任意ですか、女は開きかけた口をつぐんだ。019 「泣き虫」といったあのこが誰よりも泣いていたことに、きみは気付かぬままとどめを刺した。020 水に溶けたお月さまだって、綺麗なんですよ。そう笑ってから、部下は白シャツのボタンをひとつふたつ外す。
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