リクエスト依頼・相談掲示板
- 【ひとまず4.20まで募集中】中編〜長編の小説書きます。 ( No.11 )
- 日時: 2016/04/25 13:20
- 名前: 月白鳥 ◆8LxakMYDtc (ID: MIY9Uz95)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode
続きですー。
「“理”を覗く魔法」
→蘇生魔法の話からの続きです。
蘇生魔法成功から一週間後ほど、スタミナ切れ状態が中々治らないジャックの元へ、ロイから「力脈の様子がおかしい」との報告が入る所から。何事かと詳細を確認するも、ロイの貧弱な語彙力では伝わらずじまい。消耗しまくって魔法どころではないジャックは、その詳細の確認を知り合いの魔法使いに託します。
そうして、知り合いから受けた報告は「力脈が割れている」……
「割れている」と言う言葉の意味は確認した魔法使いにも説明しきれず、詳細は分からずじまい。けれども放置して何とかなる事態ではないと推察したジャックは、疲弊した身を押してバザラの元へ飛ぶことに。何でバザラなのかと言う話ですが、バザラは鳥と同じ目線から力脈を眺められる人間なので、きっと何か知っているだろうという希望的観測です。
前々回に大破した飛空艇は、一応修理はされているものの、街外れの森に墜落したままです。そしてバザラも、飛空艇が飛ばせないので野宿しています。話を聞いてみれば「街中の力脈がバラバラに砕けてしまって、どうあがいても飛空艇の進路が狂う」とのこと。理解の追い付かないジャックへ、バザラは更に「力脈のひび割れは一週間前からの出来事だ」と告げます。
禁忌(人体蘇生)を行ったこと、その時の奇妙な音、そして一週間前からの力脈の異常。ジャックはその全てに関連があり、それはこの先決して良い影響をもたらすものではない、とだけ予測を立てました。
ならば自身がすべきことは一つ、「異常を元に戻す」こととジャックは結論付けます。が、あれこれと調べた結果、彼の扱うような力任せの魔法では元に戻せそうにないことが判明。困り果てたジャックは、バザラの助言により、「力脈を司る存在」——即ち、“理”へ直接干渉を掛けることを試みるのでした。
尚、“理”=力脈か? と言うご質問についてですが、力脈は「魔力が分布している場所」のこと、“理”は「魔力を含め、この世界の秩序を管理する非物質的な高次存在」のことを指します。力脈は“理”に管理されている側ですね。
後、単語がいっぱい出てくるのでややこしく感じるかと思いますが、“理”=幻獣=守神です。時を経て在り方が少々変わっただけで、世界の秩序を維持・管理している存在であることは何も変わっていません。
“理”に干渉する魔法は、幻獣召喚の逆バージョンとでも言いましょうか。媒体となる器に探し出した幻獣を呼び出すのではなく、肉体という器の縛りを抜け出し(≒幽体離脱とかそんな感じのもの)、自ずから非物質的な世界に飛び込んで、その中で求める幻獣を探し出すものです。
「別次元へのダイブ」というコンセプト自体は師匠以前の魔法使いによって提唱されていたものですが、実際に理論を構築し、発動するのは初になります。下手を打てばユーリのように魂が散逸する危険を孕み、そうなってしまえば彼を元に戻せる魔法使いは誰も居ません。何の救いも希望もない未来が来るかもしれない、そんな危険と重責を承知しながら、それでもジャックは「自分以外に出来ることではない」として“理”への干渉を開始します。
自身の存在を見失いかけたり、本来来るべき軸が分からなくなってあっちこっち彷徨ってみたり。そんな幾度かのピンチはあったものの、何とか自分が目的とする場所へ辿り着いたジャックは、干渉すべき“理”を探そうとしますが——
「この大馬鹿者!」
ジャックは突然お説教を喰らうことに。
本来触れるはずのない存在が強引に干渉してきたのを察知し、力脈を管理している“理”の方からコンタクトを仕掛けてきたようです。
“全てなる父(ミズガルズ)”と名乗ったこの“理”は「どれもこれも全部お前のせいだ」と激おこぷんぷん(ryの超ブチギレモード。一方的に恫喝されまくり、どういうことだと逆ギレ気味に怒鳴り返そうとしたジャックは、その時初めて幻獣の本当の姿を知覚することになります。
ジャックが視たミズガルズは、一言で言えば満身創痍。実体がないので何処がどう傷付いているとは言いにくいですが、ジャックの語彙を借りて形容するならば「全身が千切りにされて首の皮一枚でつながっているよう」な有様です。
そんな自らの惨状について“理”は、ジャックが力脈の修復スピードを上回る頻度と威力で魔法を使い続けたことに加え、「召喚」と「創造」と言う二つの禁忌を冒した結果だと説明。特にユーリの魂の創造を行った際、ジャックがその代償として星の保有する魔力をごっそり持って行ってしまったが為に、“理”は自分の存在を削ってでも星の均衡を保たざるを得なくなったのだとジャックへ告げています。
ジャックが何も言い返せなくなっても、ミズガルズの怒りは尚も治まらず。いかにジャックが危険なことをしているか、禁忌を禁忌と知りながら私情に流されるのがどれだけ愚かしいことかを懇々と説き続け、そして最後通牒を叩き付けるのでした。
曰く。
「お前はこの世界の禁忌に触れ、この星のあらゆるものを敵に回してしまった。此処で、此処ではない何処かで、お前が何かに消されようと、お前がそれに異議を唱えることは許されない」
続けて曰く。
「されど、お前が此処で消えることもまた許されない。お前は既に、この事態を収拾し得るだけの権利と力を持ってしまった。その権利を放棄することは、この私が許さない」
そして、曰く。
「この星は私の全存在を賭けて護り通そう。ならばお前は、その身全てを捧げてでも、この事態の収拾に当たれ」
事態の収拾とはどうすれば良いのか、どうなれば「異常事態は収まった」と判断されるのか。
ジャックは明確な答えを何も得られないまま、ミズガルズにより元の世界へ追い返されます。
そして彼は、師匠から託された最後の宿題を、“理”から厳命された己の使命を完遂すべく、黙ってその場を立ち去るのでした。
お話はそのまま最終章へ続きます。
そしてレスも次へ続きます。
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