「……………」すると今度はやっとの事で歩き出した。殺気を身に纏いながら、これまで斬り倒した刀から刃を光らせた。そこからゆっくり、ゆっくり近付いて、それと同時に刀も抜き始めた。「…………流れり………」そう言った瞬間にいつの間にか、通り過ぎていた。歩いていた位置から、僅かな時間で薊の後ろから少し距離が離れた所だった。「………鮫肌」空悟が刀を仕舞い、そう言ったその直後だった。薊の下には抉られた地面が、鮫の牙のように鋭く跡が残っていた。
スポンサード リンク