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「………」
全く当たらない事は彼女が吸血鬼だと知った所から既に予測は付いた。やはり、力任せの狼人と吸血鬼よりも遥かに劣る人間とは訳が違い、知力と力が十分に備わっている。
多分人間なら、こんなアクロバティックな身体で敗けるだろうな。
「最初の俺」もそうだった。速さ、知力共に餓鬼だった俺に比べれば負ける事は見え透いていた事実。
あんな思いをしたくは無いと願っていた矢先に、こんな展開が待ち受けられていた。
だが、気にはしていない。残酷な運命を変える事なんて到底無駄な話。だから生きる為なんかじゃない。こんな薄汚れたハイエナでも、俺を見下ろす人間よりも、あの頃まで足で踏み潰され、惨めに見下す魔物よりも……………！！
「………テメェとは…………テメェ等とは訳が違うんだよぉ！！」

すると彼は動く事も無く、一気に薊に突っ込む。すると刀からドロドロしたマグマの液体が流れ込んできた。どんな原理なのかは知らない。恐らく彼の憎悪がマグマを呼び寄せた。
「流壱龍門「鬼撫」！！！」
流れる液体を帯びた刀は薊を狙い、一気に斬りかかる。