「あのね…おばあちゃんがいなくなって…これ以上、あの村にいても仕方無いと思ったの。村長さまから『お前はこの村にいない方がいい』と言われてしまったし…」と言って俯く。「だから、と言ってはなんだけど…あなたならあたしを受け入れてくれるかもしれない、と思ったから」恥ずかしそうに、申し訳なさそうに、頬を掻いて。いかにも依存心の強い駄目人間の言いそうなことである。「ありがとう…」礼を言って中に入る。数年前と同じように、そこは暖かかった。
スポンサード リンク