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「双子でね。さっき君を見にやって来た女の子がいただろう？姉の美春は、人の気持ちに疎くてね。ああやって親しみを表しているつもりなんだが、人とどう接するかを知らないんだ。もう一人は、弟の朔太郎だ。彼もまた、人との付き合いが苦手で、人に心を開かないんだ。本来なら、学校に行かせたり、働かせたりする年頃なのだが、二人とも問題があって普通に生きられないんだ・・・」
それは二人に問題が有るのではなく、仕事を理由に物だけ与えて躾をしない父親が悪いのだが・・・
「私としては、彼らが少しでも他人に馴染む助けになってほしいんだ」
ハルの父は、真剣に澪を見つめた。

この大人は、何か勘違いをしている。生まれてすぐに棄てられた澪に愛を教えるなんて、無理な話である。

「彼、すぐに耐えかねて逃げ出しちゃうんじゃないかな」サクがぼそっと呟く。するとハルはサクの手をぎゅっと握った。「ここは楽園よ？わたし、サクのことだーいすき。あの子のこともきっと好きになれるわ。嫌だなんていわないわよ」