二次なりきり掲示板
- Re: 『 ブレーメンズ ・ オーケストラ 』【始動】 ( No.102 )
- 日時: 2016/04/06 17:01
- 名前: Dietrich (ID: E616B4Au)
>>101
スレ始動おめでとうござます! 楽しみにしておりました、これからも宜しくお願いします!
一応絡み文を投稿したいと思います。
「宿屋に向かう途中の道/ガルリ・ミロノワ」
夜を迎えようとする町に、冷たい風が吹いていた。先ほどまでの熱狂を冷ますように吹くその風だったが、鼓膜の中にはまだあの拍手の音が渦巻いて離れない。熱狂に感化され、火照った指先が持つ彼の楽器も、西日にきらめいて何処か嬉しそうに見えた。
ガルリは演奏終了後、団長の呼びかけの後すぐに宿屋に向かって歩き出していた。酒屋に行けば検討会の後すぐに宴会が催されることを知っていた彼の、デリケートな楽器を持ったままその場に参加することを避けようと判断した行動だった。普段から人の前で騒ぐような性質でもないガルリはアルコールを摂取することもなく、楽しそうに騒ぐ仲間を眺めるのが宴会時の日課となっている。
以前はそんな集まりごとも厄介で、検討会が終わるとすぐに宿屋に引き返していたが、今ではうるさい人ごみの中で仲間の様子を見るのも少しではあるが楽しくなってきていた。そんな自分の心の変化に気付くとそれはそれで気分は重くなる。人といることが好きで、楽しく笑って仲間と仲良くすることが好きなただの少年に自分がなり下がって言っている気がしてならない。
「……」
小さくため息を吐きだした。手元におさまっている自分の楽器を見下ろすと、仲間たちの音色に拍手を送ってくれた人々の顔が頭の中にちらついていく。喜んでもらえてよかった、あの人たちの笑顔を見ることができて良かった——。そんな考えを何とか頭の中から振り払った。
「……何で赤の他人が笑ってるのが嬉しいんだよ」
ふと立ち止まり、自分に言い聞かせるように呟く。少しでもあの人たちに感謝し、あの舞台に感動した自分が恥ずかしくなり、慌てて頭を振った。
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