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二次なりきり掲示板
- Re: 『 ブレーメンズ ・ オーケストラ 』【始動】 ( No.150 )
- 日時: 2016/04/26 22:57
- 名前: Dietrich (ID: E616B4Au)
【宿屋へ向かう道の途中/ガルリ・ミロノワ】
「可愛い、とか、そう言うことではありません。何故あなたが僕を未熟だと判断されたのかと言うことです」
確かに自分には未熟なところは数多くあり、それを認めていないわけではなかったが、彼女の言い方が気に入らなかったのだ。お前はまだ羽も生えそろわず、母鳥の後をおぼつかない足取りでついていくことしかできない、あの無力な生物にたとえられるのは——彼女がはたしてそこまで否定的な考え方をしたのかは不明だが——嫌だった。
ふいと顔をそらすも、「腹が立つ」と言う言葉を聞き、思わず相手の顔を顧みることになる。相手を怒らせたのだろうか、と反射的な不安が心を占めたが、どうやら相手は何かしらの”言葉遊び”をしていただけだったらしい。前後を無意識のうちに聞いていないガルリとしては、意味のわからないものだ。
「……あなたは変わった趣味を持っているんですね。時間を無駄にすることは人間の犯す最も大きな罪だと僕は思いますが」
何を紛らわしいことを言っているのだろうか。口の中でもごもごと不平を呟きながら宿に向かう道を確認し始める。何処から行けば最短になるか、とっとと荷物を置いてすませたい……そう思っている矢先にキャスリンは笑い声をあげて、提案を持ちかけてくる。
彼女の言うことは正しいことであり、ガルリは拒否を表す言葉を見つけられず、思わず目をそらした。
「……一緒、と言う前に目的地が同じならそうなるでしょう。確認することもありませんよ」
キャスリンを一瞥し、ガルリは自らの楽器ケースを持って歩き出す。その言葉は彼なりの承諾の意味を持ち、無意識のうちに彼の足の運びもキャスリンに合わせた緩いものとなっていた。
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