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二次なりきり掲示板
- Re: 『 ブレーメンズ ・ オーケストラ 』【始動】 ( No.156 )
- 日時: 2016/04/27 22:28
- 名前: Dietrich (ID: E616B4Au)
【宿屋に向かう道の途中/ハンス・バルヒェット】
「そう言うなよぉ嬢ちゃん。すぐ近くに身内がいるってのはぁ、良いことなんだからな」
兄をもつ妹独特のコンプレックスでもあるのだろうか。嫌いなわけではない、と付け足したアネモイの様子を見ながら、一人で両親に囲まれて育った幼少期を思い出すも、全くそのような反抗をしたことがない自分にとってこの「傍にいたくない、でも嫌いなわけではない」という気持ちは理解しがたいものである。
何を思案していたのか、下げていた顔を上げて笑うアネモイの笑顔を眺めて、ぽつりと簡単な感想のように呟くと彼女の頭をなでる。さらさらとした髪の感触が気持ちがいい。
「飽きない、ねぇ。……嬢ちゃんが俺の何処で面白がってんのか気になるところだがなぁ」
あまりしゃべることもない自分の傍にいて何故飽きないのか、居心地がいいのか。それが彼女のお世辞であったり社交辞令であることも考慮に入れながらハンスの思考は後ろ向きに進んでいく。しかし、口許に浮かべる微かな笑みを持ってまぁありがとよ、と穏やかにそう言った。
彼女に連れられ空を見る。穏やかな空の元、緩やかな風が吹き、ハンスは再び大きなあくびをすることになる。誰もいなければ恐らく自分はこのまま眠っていたのだろう。
「あぁ、早いとこ荷物を預けて行かなきゃなぁ……賑やかな所にでも行かないと、眠っちまいそうだかんなぁ」
薄くにじむ視界で道を確認し、歩き出した。
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