二次なりきり掲示板

Re: 『 龍桜戦記 』〈 長文以上中文未満 / イベント中 〉 ( No.105 )
日時: 2016/08/08 14:30
名前: あまちゃづる (ID: y36L2xkt)

(金魚すくい、世界観に沿うよう調べつつ変えてみましたが、何か問題ありましたらお知らせくださいませ!)


 >>103

【 龍ノ宮 丹 / 龍ノ国 】

 鬼の面の下で、姉の返答に目を細める。この面ひとつあるだけで伝わらないものがあるのが、何だか妙に可笑しくて。

(無邪気な弟として甘える事も、こうしていると簡単な話しなのだよねえ…………)

「——本当? それじゃあ、どうしようかなぁ」

 明るい声を出し、ぐるりと周囲を見回してみる。
 食べ物も良いけれど、色々あるとどれが良いやら選べない。ひとつひとつ視線を動かしていくと、ある屋台の看板に目が止まる。
 丁度丹で一抱え程度の桶がふたつ。中には水が張られていて、その中を十数匹の金魚が泳ぐ。脇に重ねられた椀と、店主の後ろに置かれた網。金魚すくいをやっているらしい。
 金魚の持ち帰りは不可、泳ぐ金魚をすくうのを楽しむ遊びだ。時間内にどれだけすくえるか、という内容のもの。
 数多くすくったところで景品など無さそうだし、荷物が増えなさそうで良いかな、とその屋台を選ぶ。

「姉さん、金魚すくいとかどうかな?」

 姉が金魚すくいをする姿は想像が難しい。丹もあんまり得意という訳では無いし、この遊びの意味もいまいち分からないのだけれど、祭りの気分を味わえるような気はするから嫌いではない。

 姉に提案をしながら首を傾げた。
 どうしたら上手に羽目を外せるものか。当然丹は何に遠慮をしている訳でも無いのだけれど、毎年祭りにはしゃいでいるというより雰囲気で楽しんで満足していたものだから、具体的な祭りの回り方が中々思い浮かばなかった。
 姉が隣に居る、という事が嬉しいのだけれど、どうしたら姉を退屈させないのだろう。自分ばかりが楽しいのでは無くて、折角だから姉にだって楽しんでいて欲しい。
 こういう時、他のきょうだいなら上手に遊び尽くせるような気がするのだが……性格なのだろう。
 そう、性格。
 けれど、と声に出さず丹は微笑んだ。

(今日は大丈夫。姉上様に「ひたすら歩こう」と言うのは何だか変だけれど、祭りって、つまり屋台を見て回れば良いのでしょう? その都度姉上様と会話しながら。難しい事は無いよ)

『祭りの楽しみ方』を冷静に頭で打ち出して、自分でもこなせると判断を下す。そんな事に思考を組み立てる時点で何か違うのだけれど。