二次なりきり掲示板
- Re: 『 龍桜戦記 』〈 長文以上中文未満 / イベント中 〉 ( No.107 )
- 日時: 2016/08/10 18:28
- 名前: あまちゃづる (ID: xV3zxjLd)
ただ今夏期休業の課題でヒイヒイ言っているので、返信の速度が落ちます……(‾▽‾;)
>>106
【 龍ノ宮 丹 / 龍ノ国 】
差し出された姉の手を暫し眺め、自分の手を重ね合わせる。恐らく人の多さを危惧しての事だろうけれど、こうやって姉と手を繋ぐのは初めてのような気がした。丹の記憶違いでなければ、姉と触れ合う機会はそう多くなかったから——何だか新鮮で、少しばかり落ち着かない。
(…………全く。私も姉上様も、らしくない事をしているよね……いや、それこそ私の思い込みかも知れないのだけれど)
「あはは、この歳できょうだいと手を繋ぐなんて」
姉の事をよく知っている訳でもないのに、らしくないも何も無いだろう。
面でも笠でも被っている間は、何でもない人々として紛れ込める間は、丹が龍ノ宮の第三子にして次男では無くなる時間。それに意味が生まれるのは、案外他のきょうだいの場合も似たり寄ったりなのかも知れない。
仮にそうなら、今この時間は、本当の意味できょうだいとして過ごしている事になるのだろうか。
愉快そうな声をあげて姉の腕を引きながら、そんな事ばかり考えていた。
金魚が桶の中を泳ぎ回る姿は、近くで見るとぐっと涼しげなものだと感じる。
縁起の良さそうな色合いだし、大きさも可愛らしいし、金魚は好きかも知れない。自分で飼おうと思うほどの熱意は無いけれど。
店主に声を掛けて、ふたり分の金額と網二本とを交換して、姉の分の椀と網を手渡した。
「着物、濡らさないようにしないとなぁ……姉さんも気をつけてね?」
そう声を掛けて着物の袖を捲る。
秒を数える店主の声を聞きながら、ちゃぷりと網を水に浸すと、静かな動作にも驚いたのか散る金魚が面白い。すくうのはそう難しくないけれど、暫く狙わないでちゃぷちゃぷと網を遊ばせてみて。
「……姉さんって、私と幾つ違うのだっけ? あんまり離れていないような覚えがあるのだけれど」
目は逃げる金魚を眺めながら、ふと、思い付いて尋ねてみる。
本当のところ、他のきょうだいの年齢もよく覚えていないのだけれど。
姉というだけで上だと思ってしまうが、実際はどうなのだろう。自分が思い込んでいるほど、姉も兄も遠くは無かったような気がする。
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