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〈 鬼ノ宮 来都 / 国境 〉


　今では戦場と化した国境を鋭い風が吹き抜ける。風は鬼ノ国へと流れ、今まさに戦地へ踏み込もうとしていた鬼ノ国の第一皇子は靡く白い髪を押さえながら前を見つめた。

「この数日で此処は随分荒れ果ててしまったようだね。まぁ、俺は今の方が好きだけれど……」

　風に揺れる前髪の間から覗く赤い瞳は、国境で自国を守らんとする龍ノ国の烈旋隊に攻撃を仕掛ける魔物達……更にその遥か先にある龍ノ国の城郭へと向けられていた。来都にとって魔物は時に可愛い道具でもあり、時には視界に映った瞬間に不快感を抱く蔑みの対象でしかない。

「邪魔だな。」

　ふ、と冷酷な笑みを浮かべ目の前の魔物を斬り付ける。来都を振り返った魔物達が即座に道を開けたのは、そうしようと考えた訳ではなくそうすることしか出来なかったからだ。魔物達に物事を理解し判断する力はない。しかし目の前の存在に、鬼神の魔力に逆らってはならないと本能に刻まれている。
　可視出来る程の妖気をまとう刀を静かに納めると、来都はその光景に満足したように微笑み、背後に居る妹を振り返り手を差し伸べた。

「行こう、彗理。」



… … …

最初だし長文で…とも思ったのですが、人数的に長文だと回すのが大変そうなので中文で失礼致します。ヘタレ文章で申し訳ありませんが、皆様改めてよろしくお願い致します；；；