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Re: 『 龍桜戦記 』〈 長文以上中文未満 〉 ( No.32 )
日時: 2016/02/09 23:09
名前: 六巴 (ID: laYt1Tl.)

>>29

 国境にて魔物が現れたとの報告を伝令から受け、龍ノ国第一皇子は第一皇女と第二皇子を引き連れて国境へ急行した。

 癖の付いた黒髪をたなびかせ、今ではすっかり戦場となってしまった国境へ立つ。辿り着いたその場は想像以上に混乱しており、皮膚の表面が粟立つかのような感覚を覚える。辺りには血と砂の混ざり合う匂いが漂っていた。鼻を劈くようなその匂いに密かに眉を顰める。
 荒れ果てたこの地の最前線ではまさに今、龍ノ国の烈旋隊が魔物の侵入を必死に食い止めている様子が伺えた。一目見ただけでも分かるほど怪我人の数が目立ってる。どうやら呆気に取られている暇さえもない。加勢すべく瞬時に腰に差している刀の柄を握るが、それと同時にその場の雰囲気が肌で感じ取れるほど一気に変化した。

「これは……?」

 烈旋隊と戦線を均衡に保っていたかと思えば魔物達はある一瞬を境に一切の攻撃を止め、まるで通り道を作るかのようにして静止した。今まで魔物達がこのような行動をとった事は一度も無く、明らかにこれは異質な状態であった。

(魔物は統率がとれる存在、という事か……? まさかそんな事が。)

 魔物達は己の破壊本能に従い龍ノ国へ危害を加えているのだと思っていたが、もしかするとその限りではないのかも知れない。魔物に関してはまだまだ不明な点が多い、何をしてきても不思議ではなかった。しかし何であろうと龍ノ国にとっては脅威の他何でもない。

「撫子、丹、警戒しておけ。何やら不味そうだ。」

 ざわめきが起こる中、只ならぬ雰囲気に後ろへ控えている弟妹へ注意を喚起する。握っていた柄から手を離し一呼吸置いてから、第一皇子である東雲はゆっくりと烈旋隊隊員達の横を通り抜け、最前線へと歩を進めた。


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開催(?)おめでとうございます! そして仲間に入れて下さってありがとうございました!
頑張ってはみたもののかなりの駄文になってしまいました。素敵スレに見合えるような文を書けるよう精進致します…!
改めまして宜しくお願い申し上げます。