二次なりきり掲示板

Re: 『 龍桜戦記 』〈 長文以上中文未満 〉 ( No.36 )
日時: 2016/02/11 22:40
名前: 林銭 (ID: jFu2moab)
参照: http:// 皆さん流石に長文余裕勢だった。


>>34

〈 鬼ノ宮 来都 / 国境 〉


 罪を重ね続ける自分の汚れた手を、この妹は果たしていつまで受け入れてくれるのだろうか。手を差し伸べながらそんなことを考えていると、来都の手を優しく包み込むようにして彗理の小さな手が重ねられた。眼下で眩しく感じる程に綺麗な笑顔を向ける妹に一瞬呆気に取られたように、そして嬉しそうに微笑みかけ、その手を引いてゆっくりと歩き始める。
 こうして妹の手を取り外を歩くのは何年振りだろう、思えば生誕の祝い事すらまともにしてやった覚えがない。歩みは止めずに再び視線を横に向ければ、変わらぬ妹の笑顔に応えようとそんな杞憂も頭から振り払い、来都はその容姿には似つかわしくないあどけなく無邪気な笑みを見せた。

「……ところで、皇族が態々三人揃って戦地に赴くとは…何かあったのかい?」

 妹へ視線を向けたまま声の届く距離まで迫ったその相手に声を掛けると、彗理の手を離し、その存在を庇うかのように妹の前へと一歩出てから顔を上げ前方を見据える。そんなことをしても勇ましい妹は自分と並ぼうとするのだろうが、やはり兄として大切な妹を守りたいと思うのは当然のことで。
 前方を確認した来都はそこに立っている三人を見て目を細めた。やはりそうか、と一つ息を吐き、その顔から表情を消し去った来都の瞳は再び陰りを見せた。視界の中で揺れる真っ白な髪は彼等と最後に顔を合わせた時の色とは異なり、その向こうで身構えている三人を見据える瞳もやはりあの頃とは違うのだ。

「友人との再会にそんな陣形は必要無いかと思うのだけれど……そうだろう?東雲。」

 余裕を感じさせる声色で御伽噺でも語るように緩やかに言葉を繋げて語りかける来都は、兄を守るように立ちはだかる撫子に困ったように笑いかけてから、幼い頃から唯一心を開き友として認め合った存在である龍ノ国の第一皇子を見遣った。

「…君は本当に変わらないね。もう一年半、経つのかな。」

 皇族同士で最後に顔を合わせたのは一年半程前のことだ。その一年後には国境は封鎖されてしまっていたため会うことは出来ず、その少し前から出現し始めていた魔物……そして鬼神の存在を知り、来都は今までの全てを捨てることとなった。皇族として生きる運命を呪い、唯一の友に会う道すら閉ざされてしまっていた来都にはもう救いなど見出だせなかった。息子の話を聞こうともせず鬼神に従う父と母、守るべき妹と弟の存在、今後生きる世界への絶望。
 これが来都が選んだ自分なりの『正義』だっただけで、そこへ辿り着くまでにはやはり多くの葛藤があった。しかし今の来都には微塵の迷いも無く、すっかり狂気に囚われてしまった今では後悔などする訳もない。

(……それにしても此処で鉢合わせするとは想定外だったな。早ければ動き出す頃かと思ってはいたが、…)

 来都は一瞬瞼を伏せ何か考えるような素振りをしたが、またすぐに東雲の背後に立つ第二皇子に視線を向けて小さく微笑んだ。鬼神の存在を目にしてから鬼ノ国に存在する龍鬼大戦に関する書物は全て目を通したが、確か鏡と宝玉は全く同じ能力を宿している。使い手によって多少の差は出るかもしれないが、第二皇子の丹が使う能力は対象の治癒で間違いないだろう。
 この場で争うのは得策ではない……そう判断した来都は、続いて烈旋隊の人間達に目を向けた。彼等はまとめて大勢の人質とも成り得るが、魔物達とは違い自ら考えて動く厄介な存在でもあり、普段行動を共にしている人間達の間にはある種の呼吸が出来上がっているものだ。軽率に動けば隙を衝かれる可能性は十分にある。そしてその時に傷を負うとすれば自分ではなく、どんな状況下に置いても兄を再優先する妹なのであろうことも容易に想像がつく。

(妖将の一人や二人連れていれば、また話は変わるのだけれど…ね。)

 いずれにせよこの状況下で神器使い同士で争うとなれば結界の能力を持つ彗理に負荷がかかることは間違いない。来都は頭では色々なことを考えながらも不敵な笑みを崩さず、髪を撫でるように梳きながら再び東雲に向き直った。



… … …

>>22
開幕の流れで友人関係の件のレスをぶった切っておりました…心の中で全力でスライディング土下座致します;;私も胸熱展開すぎて絡む前から失神しそうな勢いです…;;;(もう絡みましたが…)かつての友人として、そして宿敵として是非おいしく絡んでやって下さい!あ、このレスには返信不要です!ではではよろしくお願い致します…!!

>>35
絡み文を出して下さりありがとうございます!私はまだ二体目のキャラクターが完成していないので、どなたか絡んで下さるまで暫しお待ちくださいませ…;;
それと皇族が居るとの事で同じ時系列の話かと思うのですが、丹さんの文章で一応まだ医師団は動いていないということになっていると思いますので、その辺りの話の動きは合わせていただければと思います…!よろしくお願い致します。