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>>446
孝明「…お嬢様、どうぞ」
コップを渡してベッドの近くにあるライトをつける。

「…やはり泣いていらしたのですね…」
不意打ちで灯りをともしたため、彼女の目元が赤くなっているのに気づく。

>>447
篤志「…お嬢様…」
少し遅れて部屋に着いた篤志は、ベッドに寝そべる彼女に声をかける。
声をかけたところで何も話すことはないのだが、なんとなく声をかけてしまう。

彼女の今の気持ち…、彼女の言う想い人はきっと今だけの気持ちなのだ。どうせ結婚できる、一緒になれるものではない。だからこそ、早くその想いと断ち切って欲しいのだ。今からでも遅くはないんだ。

頑固な彼女もこのことには従順であればいいのにと思いながら、近くに行く。


>>448
直「話してみないと、それも分からないでしょう。ね、ですから会いましょう？」
合うか合わないかなんてそんなの、話さなければ分からないことだってあるのだ。
お嬢様にはちゃんと俺も認められることができて、お家のお役に立てるような縁談をとってほしいと思いながら言う。

>>449
孝明「…僕は元から卑しい者ですが、もっと緋梨に顔向けできなくなってしまいました…」
俯いてシリアスなトーンで切り出す。
今、振り向いてしまったら、僕は泣いてしまうだろう。彼女の瞳に醜くく、やつれた顔が映ってしまうと考え、後ろを振り向かずに言う。

「…貴女を好きでも僕にはもう…、愛したくても貴女を愛す資格がないのです…」
皮がえぐれて血だらけの手の甲を見つめながら切なそうに呟く。