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深夜の慣れ親しんだ街の中を早足で歩く少女が一人。まだ義務教育も終わっていないような童顔で、実際年齢上は中学生。とはいっても、精神のためとかなんとか言って、学校は休ませてもらっているのだが。

少女が急いでいる理由は、『この辺りで悪魔の目撃情報があった』からだ。特に強いというわけでもないらしいが、それでも住人は怖がる。万が一、というのがあってもいけないし。
少女の、叶の仕事はエクソシスト。悪魔を退治する団体の副団長をやっている。

そのまま街を歩くと、未成年、高くてギリギリ成人ぐらいの青年の姿が見えた。まだ悪魔の情報は手に入っていない。どこに潜んでいるか分からない。早く家に帰ってもらわなければ、危ないし、こちらも気軽に戦えない。そう思って近付いた。

「すみません、おにーさん！あ、怪しいものじゃないですよー？エクソシストやってます！で、ですねっ。今日はちょろーっと危ないので、早く帰らないと危ないですよー？」

あー、テンション高いな。自分でもそう思った。でもこの見た目にはこれぐらいが丁度良くて、相手も警戒心を解いてくれることもある。街よりも慣れ親しんだ笑顔で、私はそんなことを考えた。
近付くとおにーさんに隠れて丁度見えていなかった友人の姿があった。

「唯ちゃん、こんな時間になにしてるのっ？」