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「…す、すいません！この子男の人に人見知り激しいみたいで！痛みます、よね？ちょっと待ってくださいねー、聖水で冷やしますから」
唯の、どうしたの、という言葉にハッとして、また営業スマイルを作り直す。

と、今度は綺麗で、ちょっと猫背な女性が現れる。今日見回りに来てほんとうによかったと思う。なにも知らないままだったら、この人たちが巻き込まれかねなかった。

「おねーさんはおにーさんのお知り合い？もぉ、ダメですよー、こんな時間まで外に出てちゃ！すっごく危ないですからおにーさんの手当て終わったらすぐに帰ってくださいねー？」

そう言いながらバッグの中のハンカチに聖水を含ませ、それでおにーさんの頬を冷やそうと手を伸ばす。まだ成長途中、と思いたい体格のせいで少し踵が浮いた。