二次なりきり掲示板
- Re: 【募集中・開幕】− TWILIGHT−『オリジナル中文』 ( No.18 )
- 日時: 2016/05/01 08:25
- 名前: ちゃすか (ID: eGpZq2Kf)
>>16
『エリザベス・ポップルウェル / 七区』
楽しそうに騒ぐ子供達、目新しい物を求めて活気溢れるこの街の商店街を訪れる大人達や、その至って平和な風景の中に紛れ込み存在を隠そうとする者達。
様々な声が、存在が行き交う七区の中心街をぱたぱたと駆ける少女ーーいや、一人の女性は、何やら古びた小さな鞄を大切そうに抱え込み、息を切らしながらメインストリートの人混みを掻き分け一つの影を追っていた。
「…お客、さ……っ!ああっ、何故っ、走るのよ!もう……!」
こんなに走ったのはいつぶりだろうかと酸素の行き渡らない頭で考えるも、その答えを導き出す余裕などあるわけもなく。曲がり角を進むその影を見失うまいと必死に走り続け、ちょうど曲がり角に位置するパン屋の前を駆け抜けようとした所で、どん、と一人の男にぶつかった事により大切な鞄は地面へと放り出された。
それと同時に必死に追い続けていた影を見失ってしまい、彼女ーーエリザベスは『その人物を全速力で追い掛け忘れ物の鞄を届ける』という自分の中のミッションを放棄した。
ーーだって仕方ないじゃない!全てこの男が悪いのよ、ちょうど私の行く道を阻むようにして此処に立っているなんて。そうよ、私は悪くないのだから!
そう頭の中で言い訳をしながら改めてその人物に目を遣ると、エリザベスは緑色のくりっとした瞳を輝かせる。ウィジックを物珍しそうにジロジロと眺め、それから自分の態度があまりにも不躾であった事に気付いたのかハッとした様子で姿勢を正し、小さく咳払いをして見せた。
彼女は美しいものが好きなのだ。陽の光を受けて輝くウィジックの白銀の髪は、様々な色が散りばめられたこの街の中で何色にも染まらずに自由を象徴するかの様に靡き、澄んだエメラルドグリーンとワインレッドのオッドアイの瞳はそれぞれ宝石が嵌め込まれているようだった。それらは彼が望まずして得た容姿だったのであろうが、エリザベスはそんな事情を知る由もなく、ただ素直に美しいと思い彼の存在に興味を抱いたのだ。
「あ、ええと。ケガは…無いわよね?そんな平然とした顔をしているのだから。きっと私の方が痛かったわ!……いいえ、そんな話はどうでも良いのよ。そう、どうでも良いの。私はエリザベスよ!よろしくね!」
エリザベスは強引に一方通行の会話を押し付けウィジックに手を差し出すも、落ちた鞄が視界に入り慌てて屈み込む。そして鞄を拾い上げるとパンパン、と埃を払い、再びウィジックを見れば「あら」と恥ずかしそうに頬を染めながら小さな声を漏らした。
「ご、ごめんなさい。悪気は無いのよ?…自覚してるわ。悪い癖なの。自分でも分かっているのだけれど、おとなしく相手の反応を待つということがなかなか出来なくって……、以後気を付けるわね。改めまして、エリザベスよ!ベスって読んでくれると嬉しいわ!」
自分の失態に気付くと落ち込んだ様子で眉根を寄せ、かと思えば困惑顔でクスリと笑い、キリッと表情を整えてウィジックに向き直る。慌ただしく表情を二転三転させながら、彼女はウィジックに再び小さな手を差し出した。
ーーー
レイさんの登録ありがとうごさいました!
相変わらずの神文に恐れ多くも絡ませていただきます…!!
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