二次なりきり掲示板

【募集中・開幕】− TWILIGHT−『オリジナル中文』 ( No.26 )
日時: 2016/05/05 13:27
名前: 琉香 (ID: 3edphfcO)

『ディアネ・カインス/十一区』



きっと断られるだろう。そう思い、話しかけた男は親切なことに店までの地図まで書いてくれる様だ。夏域の方はどちらの仕入れでも滅多に来ない気がするが、みんなこんなにも親切なものなのだろうか。しかも扇を売っている店をすぐに教えられるという事は、きっとこの区に関して相当知っている地元の人なのだろう。自分の住んでいる場所を愛せるという事は、執着から六区に住み着いているディアネから見れば幸せな事だ。

「ええまあ。私は一応古道具屋でして。姉が夏域に売っている扇が欲しいと言ってきたので、遠路はるばる買いに」

何だかんだで運が良かったなどと思いながら、ディアネはそう答えた。それにしてもこの男は親切だ。ディアネはほぼほぼ決まった店から品物を仕入れるやり方を採用しているので、その区ごとの人間と触れ合うことは殆ど無い。その為かその区、その域の人間の温かみに触れる機会も無い。

「姉は出掛けると言っても春域までが最大だし、物事をそんなに知らないからお金の価値も、人の大変さもあまり分かっていないんですよ……きっと」

愚痴っぽい事をぼそっと呟きながら姉は今頃何をしているのだろうかと考え始める。姉は人気があるうちは生活にも困らないだろうが、自分の場合は違う。古道具屋が潰れれば、裏でやっている運び屋もやめなくてはいけない。裏でやっている運び屋が潰れれば、古道具屋をやめなくてはいけない。どちらかが潰れればもう一方も潰れてしまうのだ。

「……!?」

どうでもいいような事をぼんやりと考えていた為に、突然右手を掬われた事に驚く。が、男は先程書いていた地図を渡そうとしてくれていたらしい。更に親切なことに、その店の忠告まで言ってくれた。

「そうなの……まるで私みたいなおばあさんね。忠告ありがとう。助かったわ」

気まぐれで店を閉める……私みたいな商売をする人も、探せば居るものだ。姉のお使いで他所に出向くのも悪くはない。そう思いながら、ディアネは地図を持ち、男に軽く礼をしてから、地図の店を目指した。

【初めまして。すごく短い絡みでしたが、ありがとうございました。これが自然かなと思ったので切りましたがどうでしょう。】
【PCと通信量の事情で、一週間程はまともに来れません。】