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>>29

『ナック・ティナー/十一区』

アルメリアと名乗ったその男は徐に食事処を尋ねてきた。どうやらひとまず床は諦めたらしい。この街に長く居ると彼のような人物に遭遇する事は稀にある。年がら年中騒がしいこの街において、先程尋ねてきた女性然り、物は溢れかえれど特定のものを探すのは意外と困難なものなのだ。

にしても食事ができる場所なぞ今此処で見渡しただけでもそこかしこにあるのだが、今の一件で懲りたのだろうか。というかあの様子からして純粋に疲れて探すのが面倒なだけのような気もする。

「そーさな…俺ぁこの街の何でも屋みたいなモンでな、情報屋みたいな事もやってる訳よ。タダで教える訳にゃいかないが一杯付き合ってくれりゃあ考えてやるぜ？」

別にそれ位教えてやっても構わなかったのだが、乗ってきてくれるというのなら一人寂しく飲み明かす事も無くなる訳だ。元々腹も減っている。その気は無くとも元来話好きの自分にとって、男だろうが先程会ったばかりだろうがそんな事は些細な事でしか無い。断られたら断られたでそこの美味いラーメン屋でも紹介してやろう。そう思いながら相手の出方を伺うように小首を傾げて見せるのであった。

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此方こそ有難う御座います！遅くなってごめんなさい！投下させて頂きました^ ^

紋白蝶さんと雪知さん初めまして、よろしくお願いいたします＼(^o^)／