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>>63
【返信お待たせしました！】

【瀬波観月】

「嗚呼、あいつか。流石に俺でも成るべくは当たりたくない相手だな」

困惑したような苦笑したような笑みを溢す。別に負けるから当たりたくないと言ったのではなく、唯唯相手の団長の強さを知っている故の回答だった。

随分昔だが、俺がターゲットである時に１度護衛者の段町であった奴に殺し屋から守ってもらったことがある。その時に近くで見ていて身をもって強さを体感したしその時は勝てないな、なんて不覚にも思った。

まさか、自分から嫌で憎かった殺し屋に手を染めるなんて思いもしなかったが、なってしまったものは仕方がない。それ故に俺は守られる立場から追われる立場へとなり今に至るわけなのだが、やはり当たりたくないものは当たりたくないのだ。逃げ出してしまいたいが、何かあったときは戦うと心に決めている。今正に何かを考えているであろう彼女に目線をおとし、大丈夫守って見せるからなんて心のなかで思った。

「そうだよな、交渉出来るほど甘くはないだろうし。それに避けては通れない道だよな」

何かを決心した彼女の表情を見て、「嗚呼、そうだな」と呟く。ここまで来てしまった以上うだうたなんてしている暇はない。もう決めた道だ、戻ることも止まることも許されないだろう。其なら突き進むしかない。大丈夫、上手くいく絶対に。そうまるで自分に暗示を掛けるように唱えた。

「そうかな。騎士みたいって言われると若干照れるけど」