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那緒「あっ、夜人さん」
はっとして顔を上げれば、声をかけてきた人物を見てニコリと笑う。
安心しているような、気の抜けたような笑みを彼女が見せる相手はそう多くない。

「部屋の鍵、落としちゃったみたいで。家に帰れないのでどうしようかと。」