二次なりきり掲示板

Re: 『指名制』恋する物の怪『募集中』 ( No.145 )
日時: 2016/08/29 14:30
名前: 燐曇 ◆qPaH7fagTg (ID: AHkUrUpg)

>>136

——夢を見た。


明華「う…………ん……?」

彼女が寝ぼけて目を開いたところから、彼が呟きを呑み込んだところから、一体どれほどの時間が経過したのだろう。眠っていた彼女にとっては、寝ぼけていた時を含めても、そう長い時間が過ぎたようには感じない。
ゆっくりと上体を起こして目を少しこすれば、視界がようやく鮮明になったようで、キョロキョロと辺りを見回す。

そこで彼女は、遂に確信した。

「……」

寝起きであるためか反応は酷く薄いものの、彼女の視線は九条剣が持つそれへと真っ直ぐに伸びていた。
彼が持つ————尻尾のようなもの。というよりは、尻尾だろか。

「…………」

まだ夢の中にいるのだろうか。いや、それにしては鮮明すぎる。手の甲を少しつねってみるが——痛い。ああ、ということは、これは現実か。
とはいえ、明華が大声をあげたり、異常なほど恐怖心をむき出しにしたり、といった行動をとることはなかった。眠ってしまう前から疑っていたこともあるのかもしれないが、以前にも似たような者に出会ったことがあったからだ。

——ああ、そういえば、あの人は……。


「…………九条、サン」

まだ少しぼんやりとした表情をしてはいるものの、彼女は囁くように彼の名を呼んだ。

そして、首を傾げながら言った。

「……九条さん、しっぽ、あるんデスネ…………」