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那緒「ホントですか？...ふふっ、夜人さんは優しいです。」

その提案を聞いて嬉しそうに目を細めれば、髪を撫でられ擦り寄るように頭を動かす。初めはとても怖い人だと思っていたけれど、こうやって柔らかい笑みを見せてくれてその印象はだいぶ変わった。「貴方もだいぶ不思議ですよ」とは言わず、その思いは心中に留める。もしも言って機嫌を悪くしてしまってはいけないと思ったからだ。

「ふ...っ？...んっ、ぁ。」

口の中に入ってきた異物に驚けば、それが夜人の指だと理解し少し困惑する。我慢するなと、そういうことなのだろうか。でも声を出すのは正直恥ずかしい、けれどこのまま我慢しようとすれば指を噛んでしまいそうである。

少しの迷いの後、傷をつけない程度にその指を甘噛みしたり舐めたりしてみた。意識をそちらに向けていれば、痛みとかも感じなくなるのではないのかと思ったのだが...あまり意味はなかった。痛いものは痛い、後なんかフワフワした気持ちになっている。

「.....夜人、さん...終わりました...?」