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>>32

【鈴白 琥珀/東の国】

「知りたい事はなんとしてでも知る。そやないと、こないな弱肉強食の世界生き抜いていけんからな。」

袖で口元を隠してケラケラと笑えば、「知りたい欲求は抑えられんのじゃ」と他人迷惑なことを言って目を細める。探り、暴き、それを使って巧みに操る。自分が得意とする戦法の一つで、ここまで生き残ってきた理由の一つだ。今更変える事はしない、迷惑だと言われようともこれが自分なりの生き方なのである。

「どういたしまして。...あぁ、あやつなら今頃街に居るやろ。お前さんとこの側近と会ってるんやないかなぁ。」

優しい声に少し驚きながらも、笑みを浮かべればそう答えて街の方に視線を移す。怖がられることの多いやつではあるが、根は優しく真面目である。だからこそ自分の側近として側に置いているのだ、裏切るようなやつだと思っていればはなから始末している。

「とはいえ、お前さんとこの側近の一人...玖妖のお嬢ちゃんは清仁のこと苦手みたいやからなぁ。仲良くなってくれればいいんやが...。」