二次なりきり掲示板

Re: 【中文】四つの国と妖怪達【募集中】 ( No.42 )
日時: 2016/07/28 21:40
名前: 双葉 (ID: y5Clm6mh)

>>33

【九 清仁/東の国】


 「そう、ですか。…こちらこそすみません。解決できればと思ったんですが、強いることでもないですね」

 己を見上げる瞳には はっきりと拒絶の色が浮かんでいる。もう何も話すことはない、と。それほど根深い畏怖を彼女に抱かせる自分に一番の疑問を感じつつ、清仁は平坦な声で詫びた。ふと、お前はもっと愛想を覚えるべきだ、と会う度に口煩く言ってくる一族の年寄り連中を思い出す。今までは余計なお世話だとはねのけてきた意見だが、仕事に支障が出るとなると一度検討してみた方が良いだろうか。姫君にも一度助言を仰いでみよう。

 「…ああ、姫君に御用でしたか。でしたらいつもの神社に。俺がお傍を離れる時は雨宮様を待ちながら酒を呷っておられましたよ」

 主の名を出した玖妖に、改めてあの方の人望の厚さを実感する。そういえば、あの後待ち人には会えただろうか。…いや、まあ。目の前の女性にちらりと視線をやり、待ち人の側近たる彼女がいるということは心配はいらなそうだと思い直す。姫君に限って酒に呑まれることもないだろうし。
 

 「お大事に。……一つ、伝言を頼まれてもらえますか。姫君に酒は程々にするようにと」

 寒い所の出身も大変なんだなぁ、と己にとっては心地の良い気候を肌で感じつつ。何故か己を嫌っているらしい人物に頼むのも酷な気がするが、出戻るのもなんだか憚られて精一杯の申し訳なさを詰め込んだ表情と声色を作って言った。