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【大代環/西の国】

「暇やなぁ…」

城内を歩いて回っている。

いつも勝手に城を抜け出して叱られているのだが城内に居れば大丈夫だろうという思考だ。

と、いって廊下の枠から下を覗けば城下町はいつものように賑わっている。

忙しそうに先を急ぐ婦人、店屋の前で呼び込みをしている商人、風車を手に笑顔で楽しそうに走っている子供たち。

あぁ、楽しそうだ。
あんなのを見てては自分が王じゃなかったら今頃自分はどんな職業に就いていただろうと考える。

仕立て屋。

計算など、倣うことは苦手だ。

舞台演者。

演じることは好きだ。それで皆に喜んでもらえるなんて最高だ。

定食屋。

料理も好きだ。昔、家庭科の授業で実技は満点だった。


などと想像はできるものの、実際の風景は想像出来ず終わってしまう。

「楽しそうや…」

自分もあの中に入りたい、その一心で赴くだけで怒られてしまう。

違う風景なんて新鮮で楽しい。皆そのことが分からないのだろうか。

四天王の皆のことも重なることも有るかもしれない。

「はぁ…」

四天王の皆との関わり方に対しての疑問と町に行きたい気持ちで溜め息をつく。

【こんなので大丈夫でしょうか…？】