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>>128

了解いたしました。もし絡みにくければおっしゃってくださいませ。

【逢沢 李緒】

「今日も収穫なし...っと。ま、元から何か掴む気もねぇーし？」

月を見ながら煙草を吸っていた男...否、女はそう呟いてため息をつく。
今日も今日とてサーカス団に潜入、その裏を掴めという指示だったが特に喜ばしい情報は誰も掴めていなかった。 彼女は何も掴む気がなかったし、掴んだとしても懇切丁寧に教えようとも思っていないのだから、彼女以外に嘘をついている輩がいるかもしれないけれど。

「上2人には悪いけど、俺は中立な立場で居たいしなぁ。恩人ってわけでもねぇーし、義理堅くなにかしてやる気にもならねぇ。」

白状者だと言われようと構わない、そう付け加えればまた煙草に口をつける。
この考え方が逢沢 李緒という人物の根っこを形成しており、そしてそれを他人に否定される筋合いもない。 というか、こんな考え方だから契約をしたのだ。 普通の人間の神経ならしないであろう「悪魔との契約」、それを平然とした顔でするのだから周りとはやはり少し違うのであろう。

「ふぅ...アネルー。居るんなら出てこいよー。」

誰もいないであろう暗闇に向かってそう呼びかければ、いるか居ないかも分からない相手の出現を黙って待っていた。