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>>129

月無様

有難うございます！では、絡ませていただきますね。



【アネル＝ハーバルト】

口に笑みを浮かべながらアネルは、木の上からある人物を眺めていた。ある人物とは警察官の逢沢李緒のことである。唯一自分と契約を交わした人間であり兼自分の主なのだ。勿論彼女と契約したことはサーカス団の誰にも言っていない。かと言ってサーカス団の情報を売るなんてこともしない。アネルにとってこれは唯の暇つぶしに過ぎないのだ。相手がこの事を分かった上で契約したかは不明ではあるがそんな事はどうでもいい。再び彼女に視線を戻せば不敵に笑った。


「嗚呼、主。気づいて居られたのですか。ならもっと早く声を掛けてくれても良かったんですよ？それにしても、主こんなところに居ても大丈夫なのですか。お仲間さんは今頃まだ頑張っておられますよ？」

名前を呼ばれピクッと反応を示せば暗闇の中から姿を現す。木にぶらぶらとぶら下がったままで相手を捉える。いつもの調子で相手の機嫌とか気分などお構いなしにペラペラと口を開く。どう反応してくるか、そう思いながら彼女の観察を続けた。